戦略目標A 根本的要因への取り組み
 目標3 補助金・奨励措置

生物多様性に悪い制度はやめよう。やめさせよう。
いい制度をすすめよう。

(愛知ターゲット原文の環境省仮訳)
遅くとも2020年までに、条約その他の国際的義務に整合し調和するかたちで、国内の社会経済状況を考慮しつつ、負の影響を最小化又は回避するために、補助金を含む生物多様性に有害な奨励措置が廃止され、あるいは段階的に廃止され、又は改革され、また、生物多様性の保全及び持続可能な利用のための正の奨励措置が策定され、適用される。

目標のポイント

POINT 1

この目標は、生物多様性にとって
◎有害な制度を廃止、段階的に廃止、改正などにより改善する
◎有益な制度を構築、実施する
という2つのことを目指しています。

POINT 2

有害な制度の多くは生産や消費、資源の利用などに関する補助金や制度で、
元々生物多様性の保全とは違う目的で作られているものです。
このため、本来の目的を無視するのではなく、生物多様性の保全と両立するように
改善する方法を考えます。

POINT3

有益な制度とは、生物多様性のためになる行動を促進するための経済的、法的、制度的
支援のことです。
公的補助による生物多様性の保全のために重要な土地の購入などが含まれます。

目標達成に向けた活動の考え方

この目標の達成に向けた活動の例としては、
◎生物多様性と関係の深い有害・有益な制度の調査・整理・見直しを行う
◎戦略的環境アセスメントを効果的に活用する
◎減農薬、REDD+などの生物多様性の保全に貢献する取り組みを促進する
といったことが考えられます。

活躍が期待される人たち

この目標の達成には、国や自治体と農林漁業団体による積極的な取り組みと、
非営利団体による提案や監視などの働きかけが特に期待されています。

ターゲット名・目標や解説などは生物多様性条約事務局資料をもとに、IUCN日本委員会がまとめました。原文はこちら (http://www.cbd.int/sp/targets/

この目標達成に取り組んでいる活動

祖父江に自然自生するヘイケボタルの15年にわたる生息調査、保護活動をするとともに、水利環境を整えた無農薬・化学肥料不使用の稲作水田「実験田」にて、生物多様性や「農」の可能性についての実践的研究と提案を...
REDD+は、森林減少や劣化を防止したり、森林を回復させたりすることで、温室効果ガスの排出を削減する取組である。森林を守ることで、温室効果ガスの排出を削減するだけでなく、生物多様性の保全に大きく貢献す...
地域住民、各種団体から構成された九重町生物多様性保全対策協議会が中心となって、生物多様性地域戦略を策定しています(平成28年度末策定予定)。策定にあたり、高度経済成長期以前の暮らしに、生物多様性保全の...
熊本県県北の環境保全と環境教育の拠点として整備した産業廃棄物最終処分場”エコアくまもと”のホタルビオトープ、雑木林をフィールドとした環境教育及び環境保全活動である。当初より現地の里山環境の重要性に着目...
里山の荒廃が叫ばれるようになって久しい。本対象地域の里山は数十年間の放置状態の結果、孟宗竹が山林を覆うようになり、今ではおよそ60%に達する勢いである。本プロジェクトの目的は孟宗竹林の拡大を防ぎ、従来...
香川県を中心に・水生生物調査…淡水魚類を中心に、どこにどんな生き物がいるのだろう? ・絶滅の恐れが高い水生生物の保護保全活動…身近な生き物の絶滅を防ごう! ・観察会(探水会など)…次世代に豊かな自...
アーバーデイ財団とのパートナーシップ契約の中の1つとして、地球と将来の世代のために森林を再生する活動(ツリー・カナダと現地の協力で実施)を支援しています。この活動は野生生物の生息地を守るとともに、レッ...
2009年にアマゾン川流域の環境保護活動を推進する英国のNPO「クールアース」とパートナーシップを結び、ブラザーの欧州販売拠点20社とともに「Cool Earth Eco-Rewards initia...
約1万haの国有林「赤谷の森」(群馬県)で進む、生物多様性復元計画「赤谷プロジェクト」を支援しています。プロジェクトは、生態系保全管理のための枠組や生物多様性保全に資する科学的な地域環境管理計画の実現...
生物多様性保全教育活動を担っているNPOやNGOを支援しています。 認定NPO共存の森ネットワークなどが開催している「聞き書き甲子園」や、公益信託富士フイルム・グリーンファンドなどが行う「私の自然観察...
生物多様性アクション大賞への支援を行っています。具体的には一般社団法人CEPAジャパンを通じて、受賞者に「富士フイルム賞」(デジタルカメラ)提供しています。
生物多様性の保全と持続可能な利用をベースに、雪里(里山)環境の復元を目的とした農業・林業・田舎体験・地場産業体験など幅広い層が楽しみながら学べる100種類を越えるプログラムを毎日提供している。異分野と...
本県の豊かな自然を背景に自然のすばらしさ、楽しさを伝えることにより、広く県民の中に自然に親しみ、自然や生物多様性を大切にする心を育むための事業。展示事業・指導普及事業・研修養成事業・資料収集事業・調査...
2011年3月に被災した宮城県名取市の海岸林の再生へ向け10年計画で取り組む「海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画」を支援しています。プロジェクトは地元の雇用も創出しながら、育苗、植林、育林までを一貫し...
具体的な事例について、どのような奨励措置がかかわっているのかを調査し、生物多様性に寄与する奨励措置への転換を提言する。これらを発表することで「生物多様性と奨励措置」についての研究を促し、奨励措置の改革...
2010年に愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)およびカルタヘ議定書第5回締約国会議(MOP5)の成果と、国連生物多様性の10年の目標を実現するため、国際社会と連携...
生物多様性の保全と持続可能な利用を、様々な主体との協働により総合的に推進するための「港区生物多様性地域戦略-生物多様性みなとプラン-」を策定しました。  本戦略は、区民や事業者等との意見交換会を経て...
世界農業遺産に認定された奥能登の里山で、昆虫博士や地域の方々との生き物観察や農業により「自然」を体験し、親子に奥能登の生物多様性を知ってもらう活動を行っています。
COP10の成果を踏まえて2009年策定の自然環境保全戦略を見直し、2013年に「あいち生物多様性戦略2020」を策定しました。愛知目標の達成に向けた行動計画としても位置づけており、多様な主体のコラボ...
「自然環境の保全と再生のガイドライン」を作成し、開発事業、ビオトープの創出、自然環境保全活動の際に多様な主体のコラボレーションによる生物の生息生育空間の保全・再生・創出・管理の効果的な取組を進めていま...
生物多様性保全に関係するパブコメ・プレスリリース等の情報を、facebookのファンページを用いて告知することで、生物多様性関連の施策への市民の積極的参加を促す。
ふゆみずたんぼ米や減農薬米を「福幸米」として販売。売上の一部を農業再開のための資金として提供する。
2010年に当地域でCOP10が開催されたが、その成果継承のため、本所は事業活動と生物多様性の関連の把握と取り組みの考え方について、中小企業にもご活用いただけるよう、わかりやすく解説したガイドブックを...
アカウミガメを砂浜の環境指標に、調査と保護活動(海洋沿岸の管理政策に活かすため、セミナーや国際シンポジウムの開催、政策提言やフィールドでの活動等)を行い、アカウミガメの産卵に最適な環境を築くことで、健...
有機農業や環境保全型農業を志す仲間に支援の手を「添える」という想いを持ったSOEL(さかわオーガニック&エコロジーラボラトリー)では、牛糞堆肥をSOELメンバーが積極的に使うことで、畑の肥料を低減させ...
愛知ターゲットの実現にむけて、原材料調達から生産、販売、お客様の使用廃棄までで生物多様性を守る事業活動。本社がある横浜市の水源涵養林(山梨県道志村)を「ファンケルフォレスト」と命名し保全するとともに、...
石川県は県土の約6割が里山であり、三方を海に囲まれているため里海もいたるところにある。そのため、2011年3月に策定した『石川県生物多様性戦略ビジョン』では、他県に例のない、里山里海の保全・利用を通じ...
長野県は日本の屋根と呼ばれる高く険しい山々を抱え、多種多様な地質が分布するとともに、南北に長い県域は日本海岸式、太平洋岸式、あるいは内陸性の気候に分かれています。  この複雑な地形や地質、気候条件は...
持続可能な農業を育むための3つの力である「生態系」と「水」の持つ復元力、「市民活動」ボランテイアによる復興活動やモニタリングによって、2011年3月11に発生した津波被害からの田んぼの復興を図る。生物...
電機・電子業界における愛知目標への貢献を促進するために、電機・電子4団体会員企業における生物多様性保全活動事例を収集し、データベースとして提供を開始しました。 活動地域(都道府県別、国内/海外)、貢...
裏高尾に作ったツリーハウス「高尾ツリーダム」で、イベントやネイチャーガイドを行い、五感を通して高尾山の生物多様性の重要性を伝える。高尾山トンネル工事による水環境や植生への影響を調査する拠点としてもツリ...
生物多様性基本法に基づき、目黒区の生物多様性地域戦略を策定し、生物多様性の保全、持続的な利用等に関する施策を展開していきます。本戦略では野鳥を身近な自然、豊かな生物多様性のシンボルとしてとらえ、「野の...
グリーンバナー・プログラムは、放置により進む森林の荒廃に歯止めをかけ、森に豊かな生態系を取り戻し、本来の日本の森林が持っている公益機能を高めることを目的に開始。企業・行政・市民を森と結びつけるため、森...
「NEC学生バードソン」は、1988年より始まった自然保護活動に関心のある学生たちがバードウォッチングを通じて野鳥保護や自然保護をアピールする全国規模の自然保護チャリティーイベントです。 参加者は3人...
森に降り注いだ雨はさまざまな流路を取りながらやがては海に注ぎ込みます。森から海への生態系の連続性が流域という循環システムを創り、いのちの多様性を担保しています。しかし、近年、農林業の不振による耕作放棄...
絶滅危惧種ヤイロチョウは、高知県の鳥・四万十町の鳥に指定されています。ヤイロチョウの飛来する森をナショナルトラストで取得し、その森の調査、保護パトロール、普及を行っています。また、アジアの中継地を経て...
当プロジェクトは、里山における耕作地放棄による生物多様性の劣化を解決するため、産官民学など多様な機関との連携により、トキを主体とする棚田生態系を復元する取組みである。プロジェクトの進め方については、従...

田んぼの10年プロジェクトを通じた参加団体はこちらを参照ください.