【にじゅうまるメンバーにお話し聞いてきました!川塾編】

徳島県の吉野川を舞台に、一年間を通して吉野川に親しむプログラムを開催している、市民団体「川塾」。「川塾」は2010年に解散した「吉野川みんなの会」の教育部門を引き継ぐ形で、2010年から始まり今年で4年目。

今年9月には、川塾が主催する「第十堰水辺の教室」が国連生物多様性の10年日本委員会(事務局・環境省)の「連携事業」に認定された。
「第十堰水辺の教室」では毎年県内外の小学生4~6年生約20人が参加し、川遊びやすじ青のり漁などの吉野川に育まれた文化を体験し吉野川と共に生きる知恵や技術を学ぶ。

そんな「第十堰水辺の教室」の魅力とは何か。「川塾」代表を務める塩崎さんと川塾に深い関わりを持つ山下さんにお話しを聞いてきました。全4回に分けてお送りいたします!!
写真右は塩崎さん、中央は山下さんです。

(本掲載は2013年12月にFacebookで掲載したものを再掲載しております)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【全4回】
第1回・吉野川との出会い
第2回・その子のペースで、その子の見方で楽しむ川塾
第3回・「川」じゃない。「吉野川」を教えてくれる、ほんまに魅力的な講師陣
第4回・「第十堰水辺の教室」の卒業生たちは?

第1回 吉野川との出会い

(-はにじゅうまるスタッフ)
―:初めまして。今日は「第十堰水辺の教室」の魅力を探りにきました。よろしくお願いします。

塩崎:よろしく。

― :突然ですが、塩崎さんが吉野川の魅力を知ったのはいつだったんですか?

塩崎:今が31歳やから7年前の24歳の時、「川塾」の前団体「吉野川みんなの会」に出会って吉野川を知りました。

― :24歳の時。社会人のときですか?

塩崎:その時は徳島大学の機械工学科で院生をやってて、

― :もともと徳島に?

塩崎:いや、出身は兵庫の姫路。卒業後は兵庫県の特殊鋼メーカーでサラリーマンを。で、2012年30歳の時に徳島に引っ越してきて、川塾を業としはじめた。

― :工学科から環境教育の分野に。

塩崎:そう。就職してからは職場のある兵庫県姫路市から通いで。ほぼ毎週のように金曜日の夜にきて、日曜日かえるの繰り返し。もう明石海峡大橋から表彰されてもええんちゃうかな~ってぐらい(笑)

― :すごい!よくそんなに通いつづけられましたね。しかも移住まで。

塩崎:ん~、日本酒がうまかったから(笑)
いや、冗談。もともとNPO法人「吉野川みんなの会」というところが「水辺の教室」をやってて、そこのボランティアスタッフにいっとたんですよ。

― :ボランティアスタッフに。

塩崎:2010年にNPOが解散になるってなったときに、活動の方も終了になるってなった。

― :そうだったんですか。

塩崎:でも、参加者のほうからも無くしてほしくないっていう意見があったし、スタッフもみんなこの活動をずっと続けていきたいっていう思いがあって。じゃあこれはこの世代で終わらすってのは、この世代の恥やと僕はおもったから、意地でもつづけようって。

― :それでもう今年で4年目ですか。プログラムのコンセプトってあるんですか?

塩崎:遊びを通して、吉野川と自分たちの暮らしの繋がりを感じるというところがうちのコンセプト。あとは、昔は兄ちゃんとかおっちゃんとかが子供を川に連れて行って、地域の文化とかを教え受け継いでいっていた。でも今は、そういうのが関係がうすくなってきとうから、あえてこういう活動で地域の繋がりみたいなものを作ってるの。

― :繋がりですか。

塩崎:そう。

― :じゃあ、プログラムでは塩崎さんたちだけじゃなくて昔からの地元の人たちも関わってるんですか?

塩崎:うん。地元でずっと活動されてるプロの川漁師、青のりの漁師さんや徳島の野鳥の会を立ち上げられた方とか。(横を指して)昔からここに住んではる山下さんもそう。山下さんは天然の川がき※。昔からこの近くに住んではって、ずーと川で遊んでたの。今はみんな、あえて川に連れていってもらってるから養殖された川がきなんだけども。山下さんは天然の川がきなの。
※川がき・・・川を遊び場所にして遊ぶ子供たちの総称

 

 

 

 

 

 

 

 

- :天然の川がき!初めて聞きましたね。山下さんはいつから川がきだったんですか?

山下:もう3歳ぐらいからかな。親父がねじり鉢巻きをしとってな。親父の背中にまたがって、はちまきをもって乗馬のように、川をわたってく。それが最初。

塩崎:その頃やったら今より流れぜんぜん早いでしょ。

山下:早い、早い。早いし、深いし、きつい。

- :じゃあ基本的に授業内容は山下さんのような方に話を聞いて一緒に遊ぶっていう感じですか?

塩崎:うん。それもありますし、ぼくらでやれる釣りとかもあります。

山下:新たなやつやな。かみあいしながら

- :新たなやつ?

山下:私らが前に「吉野川みんなの会」でこのプログラムを10数年やってて、それから塩崎君にこのプログラムを引き継いだんです。だから昔からのプログラムもあるけど、新たなプログラムもある。

- :新しいプログラムとはどんなものが?

塩崎:例えば川の危険を知るというプログラムがあります。どのくらいの水量のところで人は流されるのか、というのです。

- :面白いですね!

塩崎:子供に川の瀬を歩かせるんです。どのくらいの流量やったら自分が流されるのか体験してもらう。

- :小4から小6が対象ですよね。

塩崎:そう。ひざ下ぐらいの流れでみんな流れていきますね。大人もひざ下まであったらなかなか歩けん。頑張って向こうまで渡ろうとはするけど、全部流されていく。

山下:そんなが一番ね。万が一の時、自分の命をまもる知恵になるし、基礎になるでしょ。

- :僕もおぼれたことがあります。あれは、経験しないとわからないですね。

山下:泳ごうとするからおぼれるよね。潜ってしまえば必ず浮き上がるんです。人間無理に泳ごうとしたら力がはいるじゃないですか。そしたら流れに絶対勝てない。ちから抜いていったんそれに任して、グーと息止めて潜ったら必ずどっかに出てくるんです。それから泳いでも間に合うんです。

 

【第1回終】
第2回・その子のペースで、その子の見方で楽しむ川塾
第3回・「川」じゃない。「吉野川」を教えてくれる、ほんまに魅力的な講師陣
第4回・「第十堰水辺の教室」の卒業生たちは?