名古屋議定書の国内措置に関する勉強会

名古屋議定書の国内措置に関する勉強会のご案内 ~ パブリックコメント募集に際して ~

生物多様性条約のもとで、2010年に採択された「名古屋議定書」の国内措置に関する議論が、環境省を事務局とした検討会において、15回にわたり続けられてきました。そして、2013年12月27日、検討会の議論を整理した「報告書案」がパブリックコメントにかけられました。このほどIUCN日本委員会をはじめとするNGOは、2014年1月24日までに意見提出が求められている報告書案についての勉強会を企画しました。勉強会は、検討会における議論の焦点を学び、どういう国内措置が講じられるべきなのか、NGOが考える機会にしたいと思っています。

  • 日時:2014年1月12日(日) 10:00~12:00 (受付開始9:30)
  • 場所:日本自然保護協会・会議室
  • 地図 → http://www.nacsj.or.jp/nacs_j/about.html
  • 定員:25名 (資料の準備の都合上、事前にお申し込みをお願いします)
  • 申込先:iucnj ☆ nacsj.or.jp (IUCN日本委員会事務局 )

*迷惑メール対策のため☆を@に変えてください

1月9日(木)までにメールで、お名前・ご所属・連絡先電話番号を明記の上、お申し込み下さい。

<当日のプログラム(予定)>

  • 9:30   受付開始
  • 10:00~10:30 報告書案の概要についての説明と質疑 堀上勝氏(環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性施策推進室室長)
  • 10:30~10:50 検討会委員からの意見1 二村聡氏((株)ニムラ・ジェネティック・ソリューションズ代表取締役)
  • 10:50~11:10 検討会委員からの意見2 吉田正人氏( 筑波大学大学院教授・IUCN日本委員会会長・日本自然保護協
  • 会専務理事)
  • 11:10~12:00 Q&A と意見交換
  • 12:00 終了

注意:1月12日は祝日のため、日本自然保護協会の通常の出入り口は閉まっています。通用口から入っていただきますので、必ず事前にお申し込み下さい。

<名古屋議定書に係る国内措置のあり方検討会>

名古屋議定書を国内で実施するために必要な措置について論点整理するためにもうけられた検討会。学術界、産業界、NGOなどから、遺伝資源に関して知見のある有識者が検討会委員となり、15回にわたる議論を続けてきた。集まったパブリックコメントは、2月もしくは3月に開催予定の第16回検討会で、報告書案への反映の是非が決められる。

※環境省報道発表資料(国内措置のあり方検討会の報告書案への意見募集

2013年12月27日~2014年1月24日まで)

http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17565

■お問合せ先:IUCN日本委員会事務局 道家哲平 (Tel: 03-3553-4109 日本自然保護協会内)

※呼びかけ人:今井麻希子、名取洋司、草刈秀紀、大倉寿之

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(以下は参考情報です)

*生物多様性条約と名古屋議定書

生物多様性条約は、1.生物の多様性の保全、2.生物の多様性の構成要素の持続可能な利用、3.遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分、という3つの目的を持つ1993年発効の国際条約。2010年10月に名古屋で開催された第10回締約国会議(COP10)において、「愛知目標」と呼ばれる生物多様性を保全するための世界目標に加えて、「名古屋議定書」と呼ばれる遺伝資源へのアクセスおよびその利用から生ずる利益の公正で衡平な配分に関する国際協定が採択された。

名古屋議定書は、いわゆるABS問題に関する法的拘束力のある協定であるが、それをどう実施するかは締約国の裁量に任されている。ABSに関する国内措置を講じた上で、議定書に批准することが期待されており、我が国でもその準備が進められている。検討会は、その国内措置に関する論点整理をするためにもうけられた。

なお、2013年12月上旬の時点で、少なくとも26カ国が批准を済ませている。28の国からなるEU(欧州連合)が批准のための手続きを進めていることから、2014年10月に韓国で開催予定のCOP12までに、議定書が発効するために必要な50カ国に達する可能性が高まっている。

*勉強会に向けて有用なウェブサイトおよび資料等

1.名古屋議定書に係る国内措置のあり方検討会

検討会で使用された資料と議事録。

http://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/conf01.html

2.国内措置のあり方に関する論点整理について(第14回配布資料)

設定された論点に対する意見の一覧。

http://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/conf/conf01-14/ref01.pdf

3.国内措置のあり方に関する論点に係るIUCN の名古屋議定書解説手引きによる解釈

(抜粋参考訳) 名古屋議定書の条文に対するIUCNによる解釈本の一部訳。

http://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/conf/conf01-04/ref01.pdf

4.関係諸国のABS法(案)の内容について

・デンマークのABS法(既に採択済み)(日本語による概要)

http://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/conf/conf01-14/ref03_2.pdf

・スイス改正法案の概要と国内措置のあり方に関する論点

http://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/conf/conf01-13/ref04_2.pdf

・EU規則改定案の概要と国内措置のあり方に関する論点

http://www.env.go.jp/nature/biodic/abs/conf/conf01-13/ref03_2.pdf

5.生物多様性条約及び名古屋議定書の紹介(文科省作成資料)

名古屋議定書の枠組みを知るためのわかりやすい図が収録されている(p.10)

http://suzukim.sakura.ne.jp/np-iken/_src/sc1029/288e9197bf82p2920131211revised.pdf

6.(書籍)『生物遺伝資源へのアクセスと利益配分 – 生物多様性条約の課題』

http://honto.jp/netstore/pd-book_03412127.html