一杯のコーヒーを通して考えたサステナブルな未来への旅~国際生物多様性の日レポート~
国際自然保護連合日本委員会は、5月21日(日)、大阪市天王寺動物園と共催して、国際生物多様性の日記念イベントを開催しました。動物園を訪れていた多くの来園者の方と、バードフレンドリー®コーヒーを共にしながら、生物多様性について学び、行動することの大切さを考えました。
国連では、生物多様性条約の採択がされた5月22日を「国際生物多様性の日」と定めるとともに、毎年テーマを設定して、そのテーマに関わるイベントを通して、生物多様性の重要性を普及することを国際社会に呼びかけています。2017年のテーマは、「持続可能な観光と生物多様性」。国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)では、例年、生物多様性の世界目標達成にむけて取り組む「にじゅうまるプロジェクト」に参加する団体に呼びかけ、記念行事を企画・開催しています。
2017年は、大阪市天王寺動物園(主催)・国際自然保護連合(共催)の両者で、住友商事株式会社、住商フーズ株式会社、小川珈琲株式会社、大阪生物多様性保全ネットワーク、認定NPO法人大阪自然史センター、ボランティアサークル「ZOO人(ずーっと)」の協力を得ながら、大阪市天王寺動物園にて「国際生物多様性の日記念イベント 1杯のコーヒーから始める生物多様性保全の旅」を5月21日に開催しました。
当日は、175名(うちお子様63名)が参加しました。イベントは、展示・絵本読み聞かせ・トークショーが行われ、その期間中は、バードフレンドリー®コーヒーの試飲や販売なども行われました。
このコーヒーは、その美味しさだけでなく、熱帯雨林地域の森林環境に配慮して生産をし、プレミアム価格をつけて流通することで地域社会の生計を支え、その売り上げの一部は渡り鳥の研究・調査・保護に使われています。
イベント期間中、住友商事株式会社、住商フーズ株式会社、小川珈琲株式会社のご協力を得て、参加者に試飲していただきました。 大阪市天王寺動物園の絵本読み聞かせボランティアによる生物多様性を考える絵本。動物園でも見られるアフリカの動物を題材にした絵本が紹介されました。
トークショーでは、大阪市天王寺動物園獣医師西岡さんによる熱帯雨林の講義、国際自然保護連合日本委員会副会長道家による生物多様性のためにできる5つの行動、住友商事株式会社佐藤さんによる「一杯のコーヒーから始まる生物多様性保全の旅」のお話と、クイズ大会(賞品付き!)、認定NPO法人大阪自然史センター道盛さんによる大阪の取組が紹介されました。なお、トークショーでの発表団体は、皆にじゅうまるメンバーとして、生物多様性を守るための世界目標「愛知ターゲット」達成に向けた活躍する団体の皆さんです。
農地を広げるために熱帯雨林の減少が続いていて、そこに暮らす野鳥やフクロテナガザルなどの動物も数を減らしています。遠い国のお話、自分には関係の無い話に聞こえるかもしれませんが、コーヒーも熱帯雨林で栽培されています。もしかすると、私達が普段楽しんでいるコーヒーが、熱帯雨林の減少につながっているのかもしれません。
そんな中、バードフレンドリー®コーヒーのように、自然環境にも地域経済にも配慮した商品を購入する機会が私達の身の回りに少しずつ増えてきました。野生動物にも人間にも優しい社会に近づくために自分達にも出来ることがある。コーヒーを片手に、参加者の皆さんとじっくり・楽しく考える機会を作ることができました。
文:国際自然保護連合日本委員会 道家哲平
写真提供:IUCN-J、大阪市天王寺動物園・住商フーズ株式会社