【SDGs勉強会参加レポート】
8月2日に、ラムサールネットワーク日本主催の「田んぼの生物多様性向上とSDGs勉強会」に参加してきました。
はじめにIUCN-J副会長兼事務局長の道家より、SDGs(持続可能な開発目標)についての基本的な解説や、愛知ターゲットや水田目標と関連性があるSDGsの諸目標についての話題提供がありました。
その後、「SDGs革命 タテ社会に変革の横ぐしを」と題打ち、自治体や企業におけるSDGsへの取り組みをどのように変革(transform)させていくべきか、参加者で議論しました。
SDGsを知る上で重要なキーワードについて
道家による講演のなかで、SDGsを知る上で重要になる3つのキーワードについて解説がありました。
①「変革(transform)」
SDGsは別名2030アジェンダとも呼ばれ、正式名称を「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」といいます。この2030アジェンダに、前文や宣言と共にSDGsが組み込まれています。そして、タイトルに出てくる「変革」という言葉は、SDGsを理解するうえで重要なキーワードの一つです。私たちが良く使う「change」よりもずっと「劇的な変化」を起こすという意味合いで付けられたもので、2年かけて選ばれた言葉だそうです。
②「5つのP」
2030アジェンダの前文に書かれている5原則です。「人間(people)」・「地球(planet)」・「繁栄(prosperity)」・「平和(peace)」・「パートナーシップ(partnership)」それぞれの頭文字がPである事から付けられたものです。この5つのPの下に17の目標、169のターゲット、232の指標が置かれています。
③「誰一人取り残さない(leave no one behind)」
宣言において、SDGsが全ての国や人々、社会において満たされることを望み、最も遅れているところに第一に手を差し伸べることで、誰一人取り残さないことを誓っています。これは、NGOや地域との連携の重要性を示した一文となっています。
今回私は、SDGsへの理解を深めるべく、この勉強会に参加しました。SDGsは、経済・社会・環境の三側面に関する、前例の無い範囲と重要性を持つアジェンダで、それぞれのターゲットには相互関連性があり、統合された性質を持っています。例えば大気質の改善に向けた活動を例にとっても、住民の健康増進(ゴール3)、化学物質の排出低減(ゴール12)、さらには温室効果をもつ大気汚染物質の排出抑制による気候変動問題解決(ゴール13)に貢献するなど、様々なゴールと深く関わりあっていることが分かります。
したがって、「今の」団体の取り組みがSDGsのどのゴールに対応しているかではなく、1つ1つの事業が17目標のうちいくつの目標とどのように関わりあっているかについて、「紐付ける」ことが大切だと学びました。その上で、これまでのタテ社会、タテ割り行政を「変革」し、全ての部門があらゆるステークホルダーと「連携」しながら取り組んで行くことがSDGsの達成には必要不可欠だと分かりました。
まずは関係する一つのゴールについて、できるところから取り組みを始め、最終的に関係する全てのゴールに、全ての部門が連携して取り組み、達成していくことが大切です。今回の勉強会を踏まえて、私たちユースの現在の活動を、今後どのように生物多様性以外のゴールにも紐付けていくか、これから少しずつ考えていきたいと思いました。
竹尾 亮佑(IUCN-J/生物多様性わかものネットワーク)