【にじゅうまるメンバーにお話し聞いてきました!川塾編②】

第2回『その子のペースで、その子の見方で楽しむ川塾』です。
川塾での塩崎さん達の子どもとの向き合い方を聞くことが出来ました!
それではどうぞ!
(本掲載は2013年12月にFacebookで掲載したものを再掲載しております)

 

 

 

 

 

 

 

第2回『その子のペースで、その子の見方で楽しむ川塾』
(-はにじゅうまるスタッフ)

- :塩崎さんはずーと昔から川で遊んでたんですか?

塩崎:ぜんぜん。僕はずーっと姫路の工業団地の子やったんです。

- :じゃあ、徳島にくるまではそんな遊びしたことなかった。

塩崎:なかったですね。徳島の大学に来て最後の1年(院生2年の時)から、ここに出会って、はまってしまった。

- :なにがそんなにはまったんですか?

塩崎:吉野川との出会いと、それ以上に子供との関わり方がすごい衝撃やった。僕は小さいころから割とスポーツができるほうやったから、スポーツができる子の気持ちは分かるんですけど、そうじゃない子の気持ちってなかなか理解できない事があった。
でもそうじゃない子も沢山いるじゃないですか。川でいったら、飛び込みが苦手な子とか。泳ぐのが苦手な子とか。そういう子はそういう子なりの楽しみ方があって、それを自分なりに楽しんでるんです。

― :子供たちは自分なりの遊びをみつけるんですね。

塩崎:そう。ただ、スポーツのできる人間のことしかわからん人間から見ると、なんかつまらなさそうに川辺でパシャパシャやってるだけで、面白くないんじゃない?みたいな。あっちで飛び込もうよ!みたいなのを最初は言いがちやったんです。でもそうじゃなくて、その子はその子のペースでその子の見方で楽しんでるんやし、スタッフ達もそれを大切にしていた。そういう関わり方をしてて、それが結構衝撃やった。

- :なるほど。それって水辺のメンバーがそういう空気を作っていたんですね。

山下:枠にはめない関わり方ってあるでしょ。自然のなかで楽しむ方法って色々ある。これが楽しいっていう方法、形っていうのはないんですよ。

- :本人の楽しさをふまえつつ、伝えたいこともつたえつつ、昔とのつながりもきちっと教える。そんな中から、自分の面白いと感じるものを選んでくれればいいなって感じなんですね。

塩崎:毎年3月に、子供たちに親御さんの前で、4月から一年間水辺の教室でやってきて学んだこと、感じたことをみんなに発表してもらいます。いわゆる卒業発表。吉野川を伝えるということをするんです。それがホンマに十人十色でなんです。

― :へー。みんなどんなのを作るんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 
塩崎:例えば釣りの好きな子は見釣りの立体模型を作ってました。段ボールでスロープを作って、そこにテトラを書いて、その上に自分の釣り姿と釣竿を付けて、最後に魚を付けて。吉野川では釣りができてすごい楽しい、それがすごい良かった!みたいなことを発表してました。

― :力作ですね。

塩崎:そんな子もおれば、干潟で野鳥やクロツラヘラサギっていう絶滅危惧種を見たことを感動したこがおって、河口を立体模型で表現した子もいた。他には、アユが河口から遡上していくとこを10分くらいの演劇で表現したりとか。グダグダですよ(笑)そこは全然完成度はもとめていないから。

- :めっちゃみてみたいです。

塩崎:そう、めっちゃグダグダやけど面白い。それってある子は釣りのことが印象に残ってて、ある子は野鳥、干潟がすごく印象に残ってる。もう一人の子はアユが遡上していくというのが印象にのこってた。それぞれ、全部は覚えてないけど、一個は持って帰ってくれてる。

- :何か一つ。

塩崎:そう。何か一つでも。

- :それは川塾をやっている中での、一つの目標だったりするんですか

塩崎:水辺の教室って一年間に12回やってるんですが、それぞれの回で伝えたいことが必ず一つある。でもそれを全部子供に伝えるとは思ってなくて、こっちは伝えるけど、それぞれの子がヒットしたところを持って帰ってくれればいいと思ってます。

山下:子供によって興味の度合いが違うってことなんです。興味のあるところだけ、まずはそこから入ってもらったら、後はこんなこともあったていうことを理解できる。

塩崎:スポーツできる子と、そうでない子も共存できるというか。やっぱりスポーツできる子はキャンプで飛び込みしたりとか、カヌー漕いだりとか、アクティブなことをすごく好きやけど、そうじゃない子は例えば野鳥にめっちゃはまったり、カニを捕まえるのが目標なんです。

- :それは考えたことなかったですね。いつも伝えたいことの気持ちが先走るので。

山下:先走るのは大人のエゴ。

【第2回終】

第1回・吉野川との出会い
第2回・その子のペースで、その子の見方で楽しむ川塾

第3回・「川」じゃない。「吉野川」を教えてくれる、ほんまに魅力的な講師陣
第4回・「第十堰水辺の教室」の卒業生たちは?