にじゅうまるプロジェクトのサイドイベントを開きました。

にじゅうまるプロジェクトとして、生物多様性条約関連の会議で初めてのお披露目のサイドイベントです。IUCNや生物多様性条約事務局などにいろいろ助言を貰いながら準備してきたイベントです。

サイドイベントの様子

開会挨拶として、外務省参与、IUCN地域理事候補の北島さんから、COP10の重要性やIUCNとの強いつながり、IUCNのようにNGOと研究者と政府とがジョイントで活動することが重要であることという言葉をもらいました。

次に、私の方からにじゅうまるプロジェクトの紹介です。COP10の成果を日本の市民として非常に大事にしたいと思っていること、他方で、20というたくさんの目標があり、この目標を「地域の行動に読み替える」必要があること、そのためにに、にじゅうまるプロジェクトを立ち上げたことを紹介しました。説明の最中、うなづいてくれる人が多く、大事なポイントはよく伝わったと思います。今年のCOP11までに500団体の登録をめざすことを紹介し、COP11では、日本の市民の思いもよらない愛知目標達成のアプローチをご紹介できるだろうと話しました。

2番目のスピーカは、IUCN日本プロジェクトオフィスの古田さんです。古田さんからは、民間参画パートーナーシップの取組みや、民間参画パートナーシップで行なったアンケートを紹介し、非常に多くの企業が愛知目標に注目し、そして、多くの企業がすでにCSR指針や経営管理方針に生物多様性を組込んでいること、国連生物多様性の10年の認知度を紹介し、日本の企業の意識の高さを紹介しました。グローバルパートナーシップとも積極的に関わっていき、COP10に終わらず、毎年アンケートを実施しモニタリングをしながら、継続した取組みをしていくことを紹介しました。

3番目のスピーカーは環境省の中尾さんです。中尾さんからは、政府で取組んでいる生物多様性国家戦略の改定プロセスについて紹介し、専門家や地域ヒアリングなどを通じた検討を重ねて、COP11に少なくとも英語では日本の愛知ターゲット達成に向けた取組みを紹介したいと話しました。

さらに、生物多様性日本基金の活動や、また、世界でも数少ない「国連生物多様性の10年日本委員会(http://www.undb.jp)」を設立し、NGOや企業などと連携して、幅広い主流化に取組もうとしていることを紹介しました。

最後にIUCNのソニアペーニャモレノさんから、IUCNがどのように愛知目標達成に貢献しようとしているかを紹介してもらいました。発表によると、IUCN内部での理解を深めるためのコミュニケーションをしたり、愛知目標達成に自分の仕事がどのように関わっているかを宣言したスタッフを「愛知ターゲットチャンピオン」とIUCN内部で呼んで、愛知ターゲット達成への自分事化を進めている事などが紹介されました。

さらに、よりIUCN全体としての取組みを加速するために、IUCN4カ年計画2013−2016(案)の中で(正式な採択は、9月に韓国済州島で開催されるIUCN世界自然保護会議で会員の投票でおこなう)、IUCNの活動と愛知ターゲットを明示的に結び付けようとしている事が紹介されました。

 

面白いという声と共にたくさんの質問やコメントが出てきました。質問しているのはブータンの政府の方

続く質疑応答では、日本の各セクターの取組みに非常に感銘を受けたというコメントや、多様なセクターとの連携の事例、新しい連携のあり方などについてどう思うか、市民の自発的な活動の仕組みと政府の生物多様性国家戦略などの取組みで、どう日本としての愛知ターゲット全体の達成につなげていこうとしているかなどの質問が出ました。

生物多様性条約事務局のニールプラットさんからも、日本の市民や企業、政府が、COP10の成果を大事にし、更なる取組みを続けてくれている事に感謝したいと話し、COP9(COP10の日本開催を正式に決めた)からずっと続いて来た良い関係を今後とも続けながら、是非各国にも刺激を与えてほしいという激励をいただきました。

イベント終了後、特に、にじゅうまるプロジェクトで作ったアイコンのシールが非常に人気が高く、非常に面白い取組みだという感想、自分もプレゼンで使いたいからデータくれないとか、女性の参加者からは「とっても可愛い」という反応を貰いました。

 

報告者 日本自然保護協会 道家哲平