解説:国連生物多様性の10年とは
前回の報告でも出てきた。「国連生物多様性の10年」について紹介したいと思います。これは、2010年愛知県名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(CBD-COP10)の成果の一つです。
もともとは、にじゅうまるプロジェクト事務局の国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)や、CBD-COP10にに向けて作られた生物多様性条約市民ネットワークが提案し、それを日本政府が公式提案として、COP10で193カ国の総意として決定されたものです。
正確には、生物多様性条約から国連総会に対して、「2011年から2020年を国連生物多様性の10年にすることを検討してほしい」という内容で、正式には第65回国連総会で決定されたものです。
愛知ターゲットの実現を支えるためのメカニズムと位置づけられており、各国に、NGOや研究機関、他省庁や企業など多様な主体を巻き込んで「国内委員会」を作ることが奨励されており、それが先の「10年委員会」につながりました。
動画の製作や、認定事業の展開(ロゴを共有する)、世界各地の優良事例の紹介などを行う予定です。IUCN-Jのウェブサイトに、詳しい解説ページがありますので、そちらもぜひご覧ください。
そちらのサイトには、国連生物多様性の10年ができて経緯も分かりやすく紹介されているプレゼンテーション(PDF・日本語)が、初めて聞くという方にはお奨めです。より詳細なことを知りたい方は、国連生物多様性の10年の推進役である生物多様性条約事務局が検討した計画(PDF・日本語)をご覧ください。
にじゅうまるプロジェクトも、IUCN-Jの国連生物多様性の10年に貢献する事業の一環という位置づけで運営されています。
文責 道家哲平(日本自然保護協会・IUCN-J事務局担当)