資源動員戦略の経過報告

2週目初日の午後は資源動員戦略のコンタクトグループが開かれました。

議長が用意したペーパーをベースに議論することが了承され、1段落ごと進めることになりました。議論元となった議長案は、目標設定、資源動員戦略のレビューと実施、ロードマップという構成になっています。

【報告枠組み】

焦点の一つ、各国に提出させる報告枠組み案については、[Takes note of][Welcomes][Adopts]という3案に割れています。報告枠組みについて議論しています。welcomとしたときとadptとした時の意味合いの違いを確認する作業が続きました。現報告案がもう少しシンプルなものにできるなどの改善の余地があるから歓迎する(welcome)で良いという意見と、他の国が全く違うフォームを使われると比較できないから、このフォームを各国が採用すべき報告フォームとして採択(adopt)が良いのではという意見で大きく分かれています。ここは、意見立場の違いというよりは、表現方法の違いという気がしました。

基準年については、2006−2010年の平均を基準にするという案については、ドラフトからの変更はありません(まだ合意されてはいないですが)。

【目標値】

①2020年の目標設定は避けて、2015年までに先進国から途上国に流れる資金を2倍にし、2015年までに途上国から国内に流れる資金を実質的に増加させるという案になっています。

②2014年までに国内での生物多様性に対する支出額についての報告を75%の国に提出させるとか、2014年までに生物多様性に関する財政計画を75%の国が準備するなどの案が出ています。

目標値についての意見表明では、先進国から途上国に流れる国際的なフローを2倍といったときの「基準値」は実際いくらなのか?2倍にするといくらになるのかというのが分からないのが懸念というのと先進国の主張 と、目標値を先送りしては目標達成ができない、条約20条にあるとおり、先進国は途上国に追加的な資金供与を行うべきという途上国側の意見対立が際立っていました。

意見対立の背景には、「目標」というものの捉え方の違いも見えます。目標とは、「高く掲げて頑張ろう」という鼓舞する(アスピレーショナル)目的で設定すべきと捉える国と、努力すればなんとか届くというものを設定して頑張ろうという国と、一度掲げたら達成させなければならない(ので、非現実的な目標はたてない)という国とで、同じ目標を議論しているように思えます。

また、目標値の中で注目が、生物多様性に良い影響を持つインセンティブに使える資金源として、COP12で、生物多様性に悪影響持つ補助金の削除、削減、撤廃に関する目標を決めるというものです。

【ロードマップ】

COP12で、国内資金の基準と目標値を設定すること、資金の推計値の見直しの観点から目標値を見直すこと、などが案として出ています。

(財)日本自然保護協会 道家哲平