10月8日 開会 ハイデラバードロードマップを示そう

COP10議長とCOP11議長の握手

あさ、CEPAフェアの展示も準備を終え、開会式となりました。

開会式の恒例セレモニー、COP10議長国の日本からCOP11議長国インドに対して、議長の交代を行う儀式からです。日本からは、星野COP10議長代理(環境省審議官)と、COP10で進行の木槌を揮った松本龍COP10議長が出席。松本元大臣による英語のスピーチがあり、COP10決議の合意に一丸となってくれた各国に対し改めて感謝するとともに愛知ターゲットを含む決議の速やかな実行の重要性を強調され、松本さんからインド森林環境相ナタラジャン女史に木槌が手渡されました。

ナタラジャン森林環境相によるメッセージは、議題紹介も兼ねていましたが、消費パターンを変える必要性、そして、実行が最大の課題であると強調していました。SBSTTAという科学委員会や名古屋議定書批准に向けた方向性を作り出すことも今回のCOP11の役割。国内目標の設定を推進するための手法やキャパシティビルディングの方法、先住民地域共同体の参画、資源動員の合意の重要性など、重要な議題を紹介されました。COP10成果を実現するための行程を定める「ハイデラバードロードマップ」を作り上げようというメッセージでした。

 

その後、UNEPやディアス条約事務局長からの開会にあたってのメッセージがありました。RIO+20で作り上げることが合意された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」と、今年4月に設立が宣言されたIPBESについて何度もその重要性が言及されています。

本会議の様子

その他事務的な事項を開会式のプレナリー(本会議)で決めました。

  • 書記の選出。
  • 各地域からの運営委員(ビューロ)や、SBSTTAの議長(アフリカより選出予定)。
  • 議題の確認。作業部会(WG)の設立。島嶼や海洋といった個別テーマを扱う第1作業部会(WG1)の議長はゴンザレスさん(メキシコ)、 戦略計画や資金動員戦略などの全体的な事項を扱うのは第2作業部会(WG2)の議長はアンドリュー(NZ)さんになりました。

各地域からのオープニングステートメントがありました。

  • アルゼンチンは、GRULACと呼ばれるラテンアメリカ・カリブ地域代表として発言しました。地域ごとに少しずつ重要と思う視点が異なります。

シリア(アジア太平洋地域):名古屋議定書や愛知ターゲットのための人や資金、キャパシティービルディングの重要性を強調と、資金拡大のための合意について。

セルビア(CEE:東中央ヨーロッパ):戦略計画と愛知ターゲット実施のための指標やモニタリングの合意。国レベルのキャパシティービルディング、名古屋議定書とNBSAPの連携。CBDのもとにある手続の円滑化(カルタヘナ議定書や名古屋議定書)。日本基金への感謝などを発言

ベニン(アフリカ):COP10の成果である愛知目標、名古屋議定書、名古屋クアラルンプール補足議定書。議定書はアフリカ諸国も批准を進めているが、愛知ターゲットについても取り組まれているが、まだ求められている行動からはほど遠い。実施に向けて行動する必要がある。

クロアチア(EU):各国でのNBSAPの改定が重要であり、EUとしての戦略策定やEU加盟国の戦略改定に貢献したい。資金・人的・技術的資源の増加の重要性と、その取り組みに紳士的に取り組みたい。資金源の多様化などを模索したい。名古屋議定書も資金拡大の一つのツールとしたい。海外支援額も17億ドルから39億ドルに資源を拡大した。CBDと国や地域、業種を超えた連携が重要。経済政策とも連携する必要。その触媒役にCBDがなるべき。

キリバツ(小島嶼国):新規の効果的な資源動員の重要性や、持続可能な資金拡大の重要性などを指摘。

 

NGOなども声明を発表しました。

NGO(CBDアライアンス)からの発表(Ecoに掲載されています

女性コーカス(ARFインディア)からも、ジェンダーの視点での発表がありました。

生物多様性に関する国際先住民フォーラム(IIFB)の開会にあたっての声明

もう何団体か意見表明を要求していたけれど、時間がないので、予算についての報告が行われることになりました。多分ユースからの発表だと思います。

さて、COP11の開会です。

(財)日本自然保護協会 道家哲平