ユースのための「♯Natureforall Youth Champions」プログラム

2020年6月にフランス・マルセーユにて「第7回世界自然保護会議」が開催されます。その中で、「♯Natureforall Youth Champions」というプログラムが計画されています。

 

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このプログラムは、以下の5つの目的のもと進められています。
1.ユース(35歳以下)に対して、第7回世界自然保護会議とポスト2020への現実的な貢献をするプラットフォームの提供をすること
2.既に自然保護に参画している1000名程度のユースを集め力づけることで、世界自然保護会議やCBD-COP15に導き、決議決定に対し現実的にアクセスできるようにすること
3.ユース参画と世代間パートナーシップの強化をする目的の会議とプログラムを提供すること
4.未来世代の自然保護活動家を力づけること
5.「自然を保護する文化」つくりを助けること

さらに、すべてのセッションの主催者にユースの巻き込みを呼びかける「主流化」と会場内でのユースパビリオン(展示ブース)やユースサミットなどを設置する「ユース自身が活用する空間」の双方の戦略があるそうです。

すでにプロセスは進行しており、GYBN(Global Youth Biodiversity Network)をはじめ、その他の世界ユース団体も重要視されていることが述べられていました。
資金支援を含むパートナー団体も多く、IUCNの6つの委員会はもちろん、その他のNGOやカナダの国内委員会もパートナーとして紹介されていました。
*アジア地域フォーラムに行く前に得た情報ですが、カナダの国内委員会もユースアンバサダー事業を行うそうです(詳細はこちら、英語です)。世界自然保護会議等の場で日本のユースアンバサダーとのコラボができるとよいなあと考えています。

これらのプログラムを通して期待する成果としては、以下の5つが挙げられていました。
1.ポスト2020のプロセスを強化する政策とプログラムに対するアドバイスをすること
2.最終日のMember’s Assembly(メンバー集会)にてIUCNメンバーとユースによる宣言を共有すること
3.どうすればIUCNがユースを中心に思考する組織になるかアドバイスをすること
4.自然のための世界的なムーブメントを呼び起こし活動的にする広範囲で思慮深いコミュニケーションキャンペーンを行うこと
5.世界中でのユースの仕事への100の新たなパートナーシップと関係づくりをすること(ユースの地元の環境やコミュニティの改善を手助けする)

このプログラムを主導しているショーン・サウジー氏はIUCN-CEC(Commission on Education and Communication:教育とコミュニケーションに関する専門委員会)の委員長を務めている方で、タイトルにもある♯Natureforall(すべての人に自然体験を)というキャンペーンを成功させた人でもあります。参考記事→http://bd20.jp/18-11-26-2/

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発表するショーン氏

このセッション内で、私も発言する機会があったので、ポスト2020が重要であり日本ユースがCBD-COP15に向けてアクションを起こそうとしていること、このプログラムはユースにとってチャンスであること、提案に対する感謝等を述べました。

また、ショーン氏の発表後、偶然にも個人的にお話できる機会に恵まれたので、「なぜ(あなたは)ユースに着目するのか」ということを聞いてみました。次のように回答され、私自身はとても腑に落ちました。
「地球のための「声」はたくさんあるけど、それぞれのNGOがもつ「声」は小規模。でもIUCNは政府もNGOも先住民もいる組織だから「声」も大規模になる。だから、IUCNは世界で最も大きな地球のための声を作ることができる。ユースの声もそのうちの1つ。でもいまIUCNには若い人はいないし、ユースのことをやる人もいない。だから自分がやる。IUCNの声は、「すべての人」の声を含む必要があって、ユースもそのひとつだから。理由はそれだけで、とてもシンプル。それから、自分はもうユースじゃないし、ユースの「声」のための場を作るだけ。たとえば、自分の仕事はテーブルを作ること。その上に何を置くのか、それをどう使うのかはユースが考えること」

さらに、ユースはパワフルな上に強い声(strong voice)を持っているため、年配の人はユースを恐れている、とも言っていました。

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ショーン氏と中国ユースとのtea break中の1枚

4年に1度の世界自然保護会議で上記のようなユースのためのプログラムが用意されることは、素晴らしい機会であり、またとないチャンスだと感じました。
Change Our Next Decade(COND)が実務を担う「生物多様性ユースアンバサダー」事業を通して、日本ユースも存在感を発揮していきたいと考えています。

*今回の情報収集は、環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて実施します。
矢動丸琴子(IUCN-J事務局)