ターゲット1「普及啓発」の評価要素と評価は?!

今まで2回に分けて

1、愛知ターゲットの中間評価をしているGBO4(地球規模生物多様性概況第4版)の総括(http://bd20.jp/20150402/
2、GBO4のターゲット評価の読み方と例(http://bd20.jp/150422/
を紹介してきましたが、ついに愛知ターゲット、ターゲットごとの評価紹介です。

 

評価紹介の1つ目は

ターゲット1「普及啓発」

みんなが、生物多様性は大切なんだと知ろう。
その気持ちをもって、行動しよう。
(詳細 http://bd20.jp/target/?id=1

の評価要素と評価です!

このターゲットの評価要素は
①生物多様性の価値を人々が認識する

②生物多様性を保全し持続可能に利用するために取りうる行動を人々が認識する

の2つ。

 

それぞれの評価は、下図の通り、

目標1 ターゲット評価

図1 ターゲット1の要素評価(GBO4 p.32引用)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ともに「進展の評価」は3「進展しているがその速度は不十分」となっています。
ただ「評価の信頼性」は星1つです。

 

【評価に関して】
評価に関しては、データが限られているため結論の確信度は低いが、傾向の分かる少数の先進国・途上国双方についてみると、生物多様性の言葉への認知度は微増している(図2-A、図2-B 参照)。しかし、生物多様性へ悪影響を及ぼす具体的な行動まで理解している人は少なく、このままいけば2020年までに意識向上は継続するが、目標の達成レベルには届かないと予測される。という結論でした。

ただ、生物多様性の価値への意識向上への取組み強化の必要性は締約国間で広く合意されているという一言も加えられていますが。

2-A

図2-A 生物多様性の正しい定義を回答できる人の割合(GBO4 p.33引用)

2-B

図2-B 生物多様性という言葉を聞いたことがある人の割合(GBO4 p.33引用)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【事業の報告例】
各国が実施している、生物多様性関する意識向上のための事業報告例もあり、その中の一つに国連生物多様性の10年日本委員会が呼びかける「生物多様性My行動宣言5つのアクション(http://undb.jp/committee/tool/action/)」も挙げられています!

インドでは、「科学急行生物多様性特急号(SEBS)」という移動展示列車が走るキャンペーンもあったのだとか。列車をはしらせるなんて規模がでかい!これはCBD- COP11(インド)の開催に向けて行われたようです。

 

【達成を加速させる行動】

ターゲット1の達成を加速させる行動としては、モニタリング(ターゲット19)や消費(ターゲット4)の分野での市民参加、態度変容(behavior change)のための社会科学の活用、ESDのアプローチも活用した教育課程への組み込み、戦略的コミュニケーションの構築などが提案されていました。

 

ターゲット1に関する報告は以上のような感じです。

それぞれの詳細、情報元が気になる方はGBO4(http://www.cbd.int/gbo4/をご確認ください!

では、次はターゲット2。お楽しみに~!