愛知ターゲットの成績表、GBO4。気になる個別評価は?

前回はGBO4(地球規模生物多様性概況第4版)の
総括(成績表でいうところの“先生からのコメント”)を紹介しました。
http://bd20.jp/20150402/ 参照)

 

しかし、20もある愛知ターゲット。それぞれの個別評価も気になるはず!?
というわけで、これからは個別評価の内容をお伝えしていければと思います。

が、その前に今回は評価の読み方の説明を。

GBO4内では、20の目標からなる愛知ターゲットを56の要素に分解し、それぞれの評価を行っています。評価といっても表現は実に簡単。「進展の評価」と「その評価の信頼性」の2つで出来ています(GBO4 P.18-22)。

 

1つ目「進展の評価」は、各愛知ターゲットの達成進行状況を5段階の矢印で表したもの。図1のように“とってもよいでしょう”とか“もっと頑張りましょう”という感じ。

5段階評価

図1愛知ターゲットの要素5段階評価(GBO4 p.18引用)

 

2つ目「その評価の信頼性」は、5段階評価をするにあたって用いた情報の信頼性を三段階に星で表したもの(図2参照)。上記の5段階評価は各国の研究レポートをもとに評価していますが、なかには判断の難しい研究報告もあるため、このような指標が作られています。

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図2 ターゲット11の要素評価(GBO4 p.85引用)

 

では!
例として、総括でも紹介した愛知ターゲット11“保護地域”で説明してみます
このターゲットは「陸域の17%、海の10%は、なにがあっても守る場所に決めよう」というターゲットです。

GBO4の中ではターゲット11を6つの要素に分け、評価をしています。
そのうちの一つ「少なくとも陸域及び陸水域の17%が保全される」は図3のような評価を受けています。

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図3 ターゲット11の要素評価(GBO4 p.85引用)

まず1つ目、達成状況の5段階評価は4の「このまま進めば目標を達成する見込み」。

これは締約国の4分の1近くが既に陸域面積の17%を保護する目標を達成していることから、このままのペースで保護面積が増加すれば2020年までに上記の目標17%を達成することが可能であるという分析がもとになっています。

そして情報の信頼性は、星3つ!!となっています。
星3つ評価のデータは、World Database on Protected Areas (WDPA) - http://www.protectedplanet.net/)というUNEP自然保護センターによって管理されている世界的なデータベースを基にしており、これも文中にしっかりと記載されています。

 

どうです?
思っていたより分かりやすくありませんか?

GBO4内ではこのように生物多様性を守るための20の目標(愛知ターゲット)をそれぞれいくつかの要素にわけ、全56要素から生物多様性の保全現状、今後の目指すべき方向性を評価しています。

 

それぞれの国でどのように愛知ターゲットへ取り組んでいるかという事例も、ターゲットごとに書いてあるので、自団体でのターゲットへの取り組み方の参考になるかもしれません?

 

ご興味のある方は生物多様性条約ウェブサイト(http://www.cbd.int/gbo4/から本文をダウンロードしてください。

 

国内の愛知ターゲット取組事例は“にじゅうまるプロジェクト”のにじゅまる宣言活動(http://bd20.jp/dantai/もご参考に!

 

ということで今日はここまで。

また時間があれば別の評価も紹介していきます!