目標7【1次産業の営み】環境汚染を続ける農業、養殖業、林業の現状

今日はGBO4が報告する、愛知ターゲットの目標7【1次産業の営み】に関する現状と、その対策の紹介です。まず目標7が目指す内容は、下記のA,B,Cの3点です。

 

2020年までに、A農業、B養殖業、C林業が行われる地域が、生物多様性の保全を確保するよう持続的に管理される。

 

gbo4-jp-hr-64それぞれの目標に対し、現状でGBO4 (地球規模生物多様性概況第4版)はA,B,Cそれぞれに右の図の評価を下しています。(評価の読み方は過去記事参照http://bd20.jp/150422/)。

 

農業では、一部の地域を除き、肥料として使用される栄養塩による汚染が、以前として高い状態が続いていると報告しています。その影響もあり、EUの農地生態系を好む鳥類数の減少が上げられ、この減少傾向は鈍化がみられるものの、2020年まで続くと推測されています。

 

また、有機農業などの認証農地の拡大傾向はあるものの、農地全体の割合で見れば低いことも指摘しています。林業でも同様の問題があり、加え、認証林業地域は、寒帯・温帯地域の森林に過度に集中しているといった偏在の問題性が指摘されていました。

 

養殖業は依然として環境影響に大きな負荷を与えつつ、かつ拡大傾向にあり、認証漁業が営まれる場所は増えているとはいえ、わずかという結論です。

 

この目標達成に必要な行動としては、生産と消費のあらゆるレベルでの廃棄を減らすこと。持続可能な消費と生産を進める既存の認証制度の活用。景観レベルにまで統合された土地利用計画の推進などが提案されていました。

 

この評価を受け、生物多様性条約および締約国会議の、2020年までの多年度計画についてまとめた決定31(https://www.cbd.int/doc/decisions/cop-12/cop-12-dec-31-en.pdf)では、COP13において、多様なセクター、とりわけ、農業・林業・水産業での生物多様性の行動促進について検討しなければならない、とされています。

 

以上、目標7に関する報告でした!

 

それぞれの詳細、情報源が気になる方は地球規模生物多様性概況第4版(Global Biodiversity Outlook 4(https://www.cbd.int/gbo4/): リンク先のJapanese の部分からPDFのダウンロードが可能)をご確認ください!