休憩するのも民主的!?IUCNの動き
大きな盛り上がりを見せた4日間のフォーラムが終わり、3日前から会員総会(Member’s assembly)が始まりました。今回のWCCでは、今までのWCCと比較しても、多様かつ多くの人数が参加していると複数のイベントで言及されていました。
今日の総会は夜19時半に終了する予定でしたが、終了時間が伸びていました。終了時間を過ぎたところ「既に終了時間が過ぎているのでもう会議を終わりにしよう」と発言した会員が出て、様々な議論をした結果、最終的には「会議を伸ばすか否か」の会員投票が行われるという場面もありました。IUCNの投票の結果、会議は伸ばされることになりましたが、これだけ大きな会議でも、あくまでも主体は会員で、プロセスは公平に行われることを実感しました。
会員総会では、今後プログラム案の承認や、会長・会計担当者・地域理事・各専門家委員会の会長の選挙などを行います。また、「モーション」と呼ばれる文書の承認のための投票が行われています。
この「モーション」は、各会員が重要だと感じ、みなで共有すべきと感じる内容について作成される文書です。この「モーション」を会員が作成するには、総会開催日の6か月前までは最低5会員、総会期間中は10会員の共同名で事務局長宛に原文を提出します。
提出された文書は、オンラインでコメントを募集する作業が行われ、コメントが反映されると会員投票にかけられます。会員投票で可決されると、その文書は「IUCNとして大切なこと」として認められた文書として扱うことが出来ます。
モーションで取り扱われる内容は多岐にわたり、特定の保護問題に係る話題もあれば、象牙やセンザンコウの取引などの違法取引に関するもの、エコツーリズムに関するスタンダードの確立等様々です。文書の宛先も、この問題についてIUCNの事務局長が○○すべきだ、や、政府が○○すべきだ、等様々な主体向けに作成されます。
例えば日本の団体からは、辺野古の埋め立てに関連し、島嶼生態系への外来種の侵入経路管理の強化に関するモーションが提出され、無事に可決されました。
詳細はこちら (日本自然保護協会ホームページ)
→http://www.nacsj.or.jp/katsudo/henoko/2016/08/6iucn.html
日本自然保護協会/IUCN日本委員会
佐藤真耶