無事閉幕!世界自然保護会議
長期にわたる10日間の会議も、本日無事に終わりを迎えました。最終日である今日は、最後の会員会合として、予算案の議決・最後まで議決されていなかったモーションに対する投票・ハワイコミットメントの発表などが行われ、その後クロージングイベントが行われました。
特にモーション007 象牙の国内マーケット閉鎖については、本日の会員会合で最も多くの時間が割かれた議題となりました。当モーションに関しては、象牙の国内マーケットを全面的に禁止したいグループと、合法的な取引に関しては禁止にしなくても良いのではないかと考えるグループで意見が割れてしまい、昨夜も遅くまでコンタクトグループが開かれていました。
最終的には、合法的な取引賛成派が作成した修正案が投票にかけられましたが否決され、象牙の国内マーケットの閉鎖を求めるモーションが議決されました。これは、9月24日~10月5日の間に行われるワシントン条約の締約国会議(於:南アフリカ ヨハネスブルク)で、保全に向けたVisionを示す大きなメッセージになるのではないかと思います。
クロージングイベントでは、今回の世界自然保護会議は、今まで行われた中で最も大きく、最も多様な人が参加した会議だと強調されました。また、会議をホストした会議開催委員会の方も登壇され、2008年にはじめてバルセロナの総会に参加してから今日にいたるまでの流れについて説明がありました。ハワイのIUCN会員が、2008年のバルセロナで開催された世界自然保護会議に参加し衝撃を受け、この「科学の力がもつマジック」で、保全活動も下り調子・支援金も減ってきている現状を打破したいと誘致の働きかけをはじめたとのことでした。結果、今回のこの会議はアメリカ史上最も大きな自然保護に関する会議となったと仰っていました。
思い返してみると長かったような短かったような10日間ですが、IUCNという特殊な組織が、今後4年間活動していくための下準備がようやく無事に整ったように思います。これからは、今回決めたプログラムや予算・人選に基づき、会員団体・事務局・専門会委員会のメンバーなどが連携しながら活動を進めていきます。会議はあくまでも物事を決める場。その内容を実行していくのはこれからです。
日本自然保護協会/IUCN日本委員会
佐藤真耶