IUCNグリーンリスト
COP13では、今までブログやFacebook記事で何度か紹介をしている「IUCNグリーンリスト」についてのサイドイベントが実施されました。IUCNグリーンリストは、良い管理が行われている保護地域を讃える仕組みで、IUCNレッドリストに対峙する形で現在IUCNが力を入れて行っているプロジェクトの一つです。レッドリストでは、個体数が減少している種に焦点を当てて危機をあおるのに対し、グリーンリストでは、保全の成功にスポットライトを当てて、優良事例を褒め広めるものです。
今回のサイドイベントは、保護地域の質に焦点をあて、下記のような内容が話し合われました。
・既に導入済みのコロンビアでの導入後の事例
・メキシコ(現在導入中)での動きについて
・パネルディスカッション(グリーンリストはプロセスのインセンティブになりうるか など)
既に導入済みのコロンビアの事例では、国レベルから地域レベルまでの保護地域管理効果評価の経験についての紹介や、グリーンリストの関係者と組織の紹介などが行われました。 導入してよかった点としては、
・(グリーンンリストは)管理効果評価ツールや管理計画立案に関するよいガイドラインになった
・関係者(WWF,IUCN,コロンビア自然公園局)の関係を強めることとなった
・良い保護地域の「基準」と成功した保全措置がどう国際的な目標(例:愛知ターゲット)に反映されるのかについてディスカッションする良い機会になった
・保護地域にとっては、保全の成功を讃えるネットワークの一員になれた
・良いマネジメントと社会的公平性の関連性に関する調査のきっかけになった
現在導入中のメキシコに関しては、導入予定の2国立公園の紹介や、どのように準備を進めているのかについて話がありました。日曜日には、現在メキシコでグリーンリストの導入検討をしている地域へのエクスカーションがあるので楽しみです。
公益財団法人日本自然保護協会
IUCN日本委員会
佐藤真耶