SBSTTAプレナリー ポスト2020枠組みと外来種
2021年5月26日夜8時(日本時間)には、SBSTTAのプレナリーが開催され、ポスト2020枠組みのモニタリング枠組み(と報告)の議題と、外来種のテーマが扱われました。
ポスト2020枠組みについては、昨夜に続き、CRP文書の検討ですが、ポスト2020枠組みに基づく取り組みの評価指標をどのように確定し、見直していくかというポスト2020枠組み実施のスピード感や、COPとSBSTTAとSBI 、専門家会合(AHTEG)の関係性、SBI3で検討している報告に関係する議論とも連動する決定案が議論されました。
外来種は、今回が議題を扱うのが初めてとなるため、声明の読み上げが行われたのち、議長によって、まとめ方をビューロで検証し、進め方を報告することになりました。コンタクトグループの設立も検討したいが、全体の進行が遅れていることも含めて、検討を行うとの説明がなされました。
各国からは多岐にわたる外来種の対策や課題について意見が述べられていました。基本は、外来種対策の強化を主張するものですが、日本からは、おそらくヒアリのような小型生物の侵入への対策の重要性と、その大きな侵入ルートである海運(やコンテナ付着対策)の強化、そのための国際協力の推進などを指摘しました。先住民地域共同体の参画に関する意見や、能力要請に関する意見も聞かれました。
外来種のテーマは、経過報告に止まるようなテーマではなく、過去のCOPで常に話題になりながら、前進してきた議題でした。COP14決定に基づき、専門家会合(AHTEG)が組織され、IPBESが行っている評価とは別のアプローチの論点整理を行い、ガイダンス案をまとめました。(Eコマースのリスク管理、外来種管理や防除のより効果的な手法の検討、外来種のデータベースやリスクコミュニケーションのあり方など)。外来種のリスク管理の一環として、外来種の運搬時のラベリングの手法(国連経済社会理事会の元に設置されている科学委員会への提案)の検討や推進なども検討されています。AHTEGの提案は、決定案の付属書になっています。
合成生物学については、フレンズオブチェアー会合を開催し、SBSTTAでの検討のまとめ方を整理することを指示しました。議長より、複数の国が指名され、フレンズオブチェアグループとして、進行の進め方を議論することが報告されました。
道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)