大学生と生物多様性条約(SBSTTA19)

日本と韓国のユースに話すピアルージュさん

日本と韓国のユースに話すピアルージュさん

11月5日木曜日 IUNCBD university network Dr. Pierluigi Bozzi (ピアルージュ ボジーさん) による日本ユース+韓国ユース向けのセッション

IUNCBD university networkのピアルージュ・ボジーさんに日本ユースと韓国ユースのセッションを開いていただいました。

ピアルージュ・ボジーさんの活動紹介

IUNCBD university network(The International University Network on Cultural and Biological Diversity)社会科学と方法論に基づく文化・生物多様性・マネージメント(ローマのSapienza University-research center of development studies SPES)により、教育と国際機関との間における協力と知識のギャップの懸念に対処すべく発足されました。 主に発展途上国にフォーカスを向けている団体です。 教育機関として大学を使ったCBDの普及啓発について今回お話していただきました。

以下 ピアルージュさん: CBDと大学の結び付きが曖昧な現状が、若者の間で生物多様性が広まらない原因でもあると私は考えます。 多くの人々に生物多様性が広めることはCBDの実施と深く関係しており、この曖昧さを埋めるためにすべきことは多くあります。
多くの国、多くの社会では大学や大学院の課程を卒業・修了して、これまでの勉強内容・研究について学ぶことや人とのコミュニケーションが極端に途切れてしまうのが現状です。しかし、それはとても残念なことであり、大学での学びの流れを継続させて、大学のようなコミュニティーを継続し利用し続けることがCBDの主流化や生涯学習、継続研究につながるのではないか?
そのような発想に加えて、
・どのように社会にインパクトを与えていくかが重要。
・大学の中でコミュニケーションを広めたり、情報を共有する場を作り上げていくこと(大学内での学生組織)が重要
であると考えます。
今回皆さんのように大学外で活動できることはとてもいいことですが、大学内でそれができれば、より一層効果が出でると期待しています。

そのために大学の施設を最大限に利用すること。
・face to faceのミーティングを行う
・大学外のミーティング会場に費用を払うことはもったいない
・活動の枠に強い制限をおかない自由な発想
など、大学はコミュニティーの宝庫であり、例えば1日で1000人と会話をすることだって可能です。このような貴重な場を利用しない手は無いと思います。
これは長い人生における第一歩となる取り組み(イニシアティブ)です。 私たちはみな同じレベルにあり、やりたいことは実現可能です。 皆さんは既にアクティブですが、もっとアクティブになって欲しいです!
以上 上記の通り大学からのCBDに関するイニシアチブについて熱く語っていただきました。 IUNCBD university networkピアルージュさんは戦略の実行において 科学・政策・社会の3つの独立したものをいかにリンクするかが大切だと強く強調なさってました。

ディスカッション:

韓国youth: プロジェクトはどのような規模感ですか?
ピアルージュさん:この改革はローマの大学で始まり、主に発展途上国を中心に進めています。しかし、多くの国にひらけている。発展途上国は生物多様性でも多く取り扱われ、皆さん興味が湧くでしょう?それに多くの発展途上国が生物多様性が豊かです。例えばマダガスカルなんかは80%の植物が固有種であり研究地としてはとても面白いでしょう?私もアフリカの大学の教員ですしね(笑)私の大学は25の大学とサイエンスの交流を持っています。関係性を築くことはとても大切です。しかし、お互いに平行な関係性を築くのは難しいのです。

日本youth長谷山:大学生のCOPを開くのはどうか?
ピアルージュさん:COP12に先立ってuniversity conferenceをインドで開催しました。私たちIUNCBD university networkをスピンオフして18のインド大学ネットワークが立ち上がりました。それは素晴らしいイニシアチブであった。残念ながら韓国では行うことができなかったが、私たちは同じ状況にあり、あなたたちはもっと発展できると思います。

日本youth宮崎:私はface to faceの話し合いの場を持つことが大事だと思います。海外の人と繋がるにはやっぱりSNSになってしまうと思いますがそこはどう考えますか?
ピアルージュさん:いい質問ですね。私たちはSNSをよく使うが、学問の点ではSNSをよくは使っていない。 その点に関してはもっと多くのことを突き詰めることができるで しょう。あなたたちの多くはいいアイディアを持っている。

韓国youth: それは1つの専門や大学機関の枠を超えて広がる各分野ごとの研究ですか?
ピアルージュさん:考えによります。多くの論文はあなたの学科にて発展していきます。 あなたの論文はなんですか? 何が結びつきか?何がインパクトか?方針は?実現は? あなたの研究テーマにはあなたの興味が出ると思います。 今回SBSTTAのような国際会議に来ているとうことは、興味があるということだと思います。今回の議題で関心のあることなどをぜひ追って、可能であれば論文に関連付けてみてはどうでしょうか?そのようなことから私たちのCBDに関するイニシアチブは始まるのです。

以上ディスカッションを終えて

ピアルージュさんとの記念撮影

ピアルージュさんとの記念撮影

今回このような機会のセッティングを快く受け入れてくださったピアルージュさんに感謝の気持でいっぱいです。 ピアルージュさんのおっしゃっていた様に私自身農学部系の大学ですが、CBDはおろか生物多様性についてもしっかりと理解している学生はまだまだ少ないと感じます。 このセッションを機に論文のテーマを考えてみたり、自大学のCBDイニシアチブについて考えるいいきっかけになりました。 私たち自身、大学という場所はとても良い場所だと考えています。ですのでそんな場からイニシアチブがしっかりと始まれば良い結果につながるのではないかと思います。

生物多様性わかものネットワーク: 宮崎桃子 長谷山陽大