決議 戦略計画・愛知目標の実施状況(最終文案)の紹介

生物多様性条約の核となる10年計画、生物多様性戦略計画2011-2020(愛知ターゲット)の実施状況に関する決議案の紹介です。以下の文章は、決議文章を参考に、一部意訳等を行いながらまとめました。

 

WGRIの合意として(WGRI終了後から効力を発揮)

戦略計画の進展状況に留意し(原案は、進捗が限られているという言葉であったが、各国で改定プロセスが進んでいる事が分かり、警告的な要素が弱められた)つつ、COP11での検討をするため、2012年6月30日までに、改定・更新の計画/スケジュールなどを報告する事を各国に求めました。条約事務局には、それらの情報をCOP11に検討できるようにまとめる事を要請、愛知目標や名古屋議定書の推進努力を2倍にするよう求めました。

 

COP11への決議案として(COP11後に効力を発揮)

条約加盟国間の科学技術協力、発展途上国間の協力(南南協力)、先進国と途上国間の協力、UNDBの活動戦略、IPBESのサポートなどが必要であるとし、各国に生物多様性国家戦略(NBSAP)の改定を求める文章をまとめました。また、改定の際の国別目標の設定に向けた多様な利害関係者との協議の強化などの呼びかけ、先住民や地域共同体や女性を参加させる事を呼びかけました。ユニークなところでは、国連生物多様性の10年に関連して「自然と共生するLiving in harmonry with nature」という標語を使っていこうという提案ができました。

ブラケット(合意できず)という事で残ったのが、途上国の戦略計画達成のための追加的措置を締約国に求めるという文章で、「追加的措置」の内容に関する部分が不透明であるとして、留保されました。

報告者 (財)日本自然保護協会 道家哲平