生物多様性条約とユース

今回参加しているユース代表 一番右がクリスチャンさん

生物多様性条約には、NGO、企業、自治体、先住民地域共同体が活躍する中で、ユースの声を反映させようと活動しているグループがありました。生物多様性ワールドユースネットワーク(Global Youth Biodiversity Network)です。そのグローバルコーディネーターを務めるクリスチャンに話を聞きました。

設立の経緯は?

—   生物多様性の分野にユースを参加させようという動きは、2005年くらいから各地でありました。カナダやEU、ケニヤ等とか。私が関わったのは2008年ドイツ・ボンで開催されたCOP9の時です。ドイツ環境省とドイツ自然保護協会(NAVU)の主催するワークショップに参加し、本会議場の舞台でユースの発表を行いました。そこで日本のユースとも出会い、COP10に向けて参加しようと思いました。

 

日本のユースの姿が勇気を与えた。

—   COP10の準備の中で、日本は、アジアユース会議を開き、国際ユース会議を開きました。しかし、私たちが強く影響を受けたのは、そういう国が準備してくれた機会だけでなく、「がけっぷちの生物多様性キャンペーン」という日本のユースのネットワークが、国際交渉に関わろうと努力している姿です。

—   そこで、国際ユース会議でもアイディアのでた「生物多様性ワールドユースネットワーク」を正式に立ち上げようと準備が始まりました。2012年の8月にベルリンでキックオフ会合を行い、規約や運営ルールを合意しました。

COP11の集合写真(IUCN-Jが支援したユースも映ってます)

—   COP11(2012年10月)にも参加し、ユースの参加を奨励する決議に私たちの意見を反映させることもできました。

—   現在23カ国から、39のメンバー団体。350名が個人資格で参加しています。メーリングリストでのやり取りは800を超えるほど活発です。

COP12での計画は?

—   COP9、COP10とCOPの前に国際ユースフォーラムが開かれてきました。今、韓国政府にCOP12の前にユースフォーラムを開催してはどうかと、生物多様性条約事務局に相談しています。COP12の直前の3−4日間で、ユースと生物多様性の関係や、COP12の主要論点、どのように政策提言を行うかなどを経験のあるユースから伝えたり、ユースのプレゼンスを高めるための戦略を考えたいと思っています。サイドイベントも計画したいと思っています。

日本のユースにメッセージを

−    日本のユースも、生物多様性ワールドユースネットワークに入ってください!最初にも話しましたが、私たちの「ユースは生物多様性について声を上げるべき」という活動の思いを、実践してみせてくれたのがCOP10での日本のユースです。

−    英語が苦手という人もいるかもしれませんが、私たちのグループのほとんどは英語が母国語でないユースばかりです。

−    今私たちは、「生物多様性の取り組みにユースはどれだけ貢献できるか、しているか」という事例を示して、ユースの重要性をしってもらうための取組みを考えています。ぜひ、ユースが、生物多様性の分野でどんなことを行っているか交流をしていきたいと思います。

生物多様性ワールドユースネットワークは、Facebookで、活動を紹介しています

(公財)日本自然保護協会 道家哲平