生物多様性条約第15回科学技術助言補助機関会合(SBSTTA-15)~1日目報告~

11月7日、生物多様性条約COP10から1年が経ち、2回ある内の1回目に相当するSBSTTA-15が開催されました。会合の全体会議は朝10時からですが、NGOを始め、多くの参加者は各地域・セクターごとの会合に参加をするために、朝9時には会場に入る人が多いです。朝のNGO会議では、初日ということもあり、自己紹介とこのNGO会議の位置付け、CBDアライアンスやECOの紹介、初日のステイトメントのことについて、ザクッと話しました。そして、10時から全体会議が始まりました。
まず、午前のセッションでは、オープニング、地球規模分類学イニシアチブ(略してGTI)のドラフトに対するコメントを受け付け、午後は、その続きと愛知ターゲットに対するコメントを受け付けました(その後は生態系復元に関するポスターセッションや条約事務局主催のレセプションなどがありました)。
今回のSBSTTA-15の議長を務めるのは、ボスニア・ヘルツェゴビナ出身の女性の方で、初めてSBSTTAで女性の議長が選出されたこともあり、大きな歓声が出ておりました。オープニングでは、UNEPのディレクターであるカルロス氏やドイツの環境大臣、ジョグラフ事務局長がステイトメントやビデオレターを紹介していました。この3氏の発表の中で共通していることは、どれも愛知ターゲットを重要視していかなければならないということです。ジョグラフ事務局長は、“愛知ターゲットは、生物多様性条約の戦略計画ではなく、20にわたる生物多様性に関する戦略計画です”と話し、生物多様性の損失に歯止めを掛けるために全世界で動かなければならないことを強調されていました。また、“現段階で8各国が愛知ターゲットに基づいて生物多様性国家戦略の改定を行なったとのことでCOP11では遥かにこす数字の国がNBSAPの改定を報告してほしい。また、既に、戦略計画を合意してから、1年が経っています。計画や行動などを先送りにすることは許されない”、と各締約国に行動を起こすことを求めていました。
次に、GTIに関してです。多くの国が、引き続き、キャパシティービルディングが必要なことを提案していました。ただ、途上国を中心にそのための経済的な支援が必要ということも合わせて発言していました。
最後に、愛知ターゲットの指標、マイルストーン、技術的な解説についてコメントを交わしました。多くの国が、愛知ターゲットを達成するための指標について、コメントをしていました。今回事務局より提出された資料に、指標のドラフトも含まれていますが、100以上提案されており、どの指標が“適当”なのか、また、国際的に、国内のレベルで利用可能なものなのか、といったコメントもありました。
簡単ではありますが、1日目の報告を以上とさせて頂きます。

報告 小林邦彦(IUCN日本委員会 アルバイト)