11月6日 CBDアライアンス運営会議とNGO戦略会議
科学技術助言期間会合(SBSTTA)開催を前日に控え、伝統的知識の保護に関する8(J)会議よりも多くのNGOがモントリオールに来られているようです。日曜日(11月6日)でも休みではなく、生物多様性条約における市民セクターのとりまとめ役であるCBDアライアンスの運営会議(Board meeting)とNGOの戦略会議が開かれました。モントリオールは朝晩とても冷えていますが、NGOの議論はとても熱いです。
<CBDアライアンス運営会議>
午前はCBDアライアンスの運営会議でした。
CBDアライアンスは、COP6(2002年、オランダのデンハークで開催)で、アライアンスの設立に向けた動きが始まり、もうすぐ10年を迎えます。その運営会議は、各地域(北アメリカ、アフリカ、アジアと言った地域区分)から1ないし2名の運営委員(Board member)と前後のCOP開催国(現在は、日本とインド)から代表がでて、市民社会が生物多様性条約の交渉プロセスで効果的に影響を及ぼし、発言できるようにするための方針などを検討します。
今回は従来行ってきた条約関連の会議(締約国会議や今回のSBSTTAなど)だけではなく、RIO+20や名古屋議定書に関する政府間会合などでもECOを作ってNGOのインプットを行なうといった事業方針をまとめました。経済危機による助成金の減少とその有効勝つようについて、支援先(Swedbioという団体)からの助成事業評価なども受ける予定です。
<NGO戦略会議>
午後はCBDアライアンス主催のNGO戦略会議でした。
NGO戦略会議は、生物多様性条約事務局のニール・プラット氏(NGO窓口)を招いての意見交換や、SBSTTAで議論される議題の注目ポイント(保全を進める上で大事な点、NGOとして注意(主張)しなければならない点、政府間での対立の大きそうな論点/争点)を皆で共有するためのものです。
大きな議題である戦略計画(愛知ターゲット)については、道家から解説を行ないました。
今回は、愛知ターゲットの解釈(テクニカルレショナーレ)、指標などを検討する予定です。注目ポイントとしては、世界共通の解釈をちゃんと作れるか(かつ、より意欲的な文言の解釈を採用できるか)、多様な指標を合意できるか(たとえば、目標3の生物多様性に悪影響を及ぼす補助金の削除につながる指標を合意できるか)などが大事なところだと思います。
指標を定めたとして、それをどの数字まで伸ばしていくかということも大事です。例えば、普及啓発に関して「生物多様性という言葉を聞いたことがある人の割合」という指標を作用したとして、それを2020年までに5割とするのか10割とするのかといった議論です。
それについては、今回のSBSTTAと次回のSBSTTAおよび条約の実施とレビューに関する作業部会(WGRI)でまとめ、COP11にて正式に決定する予定です。
その他、生態学的復元(restoration)、外来種などのテーマについて注目点を共有しました。
報告 日本自然保護協会 道家哲平