CBD-COP14が始まりました。
エジプト・シナイ半島の先端シャルムエルシェイクにて、11月17日、生物多様性条約第14回締約国会議が始まりました。観光地であり、比較的治安が良いとされているこの地ですが、大統領も開会式に参加するとのことから、セキュリティが非常に厳しく、午前はかなり混乱が見られました。午前は、本会議に参加できる人が政府に限定され、NGO等も参加できず、別会場で中継を見るだけという状況でした。
本会議場の様子
午前の混乱は午後も引き継いでおり、会場のマイクの不調なども重なって、初日から1時間近く本会議が伸びるということがあった模様です。会場の皆さんも、楽しそうに参加する人もいれば、会議運営に振り回されて疲れている人も(すでに)おりました。また、展示も本格的に進んでおり、その準備で会議場を見られることができませんでした。
生物多様性条約の公式報道機関であるIISDのENB(Environment Negotiation Bulletin)によると、参加者みな、生物多様性条約25周年をお祝いすると同時に、生物多様性条約で取り組んできた歴史と、その使命を果たすのにはまだまだ取り組みが十分でないことの課題、生物多様性の損失への失望など、複雑な思いを各地域代表も開会式で述べられたそうです。 とりわけNGOは、「同じことをしながら、全く異なる効果を期待するのは愚かなことである」とし、従来の取り組みとは異なるレベルで生物多様性への貢献を行う必要があると指摘しました。
引き続き2週間にわたってこちらでCOP14のレポートを行います。
COP14議題一覧
1.開会
2-4.会議運営事項
5.今後のCOPと開催地
6.COP13以降の会議の報告
7.予算関連
8. 戦略計画の実施状況
9.資源動員と資金メカニズム
10.キャパシティ・ビルディン グと技術的及び科学的な協力
11.知識管理と普及啓発
12.国別報告書と評価の仕組み
13. アクセスと利益配分、バイオ セーフティ、8(j)との連携
14. 他の条約、国際機関、活動と の連携
15.条約/議定書の有効性評価
16.IPBESの第2次計画
17.生物多様性のための2050ビジョンとポスト2020地球枠組みの準備
18.遺伝資源の電子配列情報
19.8条(j)項関連規定
20.持続可能な野生動物管理
21.生物多様性と気候変動
22.生物多様性の主流化
23.花粉媒介者の保全と持続可能な使用
24.空間計画、保護地域とその他の地域に基づいた効果的な保全手法 (OECM)
25.海洋と沿岸の生物多様性
26.侵略的外来種
27.合成生物学
28.責任と救済(14条、段落2)
29.その他の事項
30.報告書の採択
31.閉会
道家哲平(日本自然保護協会/IUCN-J事務局長)
*今回の情報収集は、環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて実施します。