第2版完成!!:CBD in a Nutshell 2nd edition お披露目イベント(ユースレポート)
約2週間のCOPもついに最終日を迎えました。
昨日11月28日の夜のサイドイベントにて「CBD in a Nutshell」第2版のお披露目が行われました。
サイドイベント後にリリースされる第2版
このガイドブックはGYBNのMelina氏とChristian氏を中心に作成されたもので、生物多様性条約の歴史、交渉プロセスや生物多様性の知識に関するユースの能力養成を目的として出版されました。そのため、生物多様性条約の背景やプロセスなどがかわいらしいイラストとともにわかりやすく解説されています。第1版は前回のCOP13@メキシコにてお披露目されました。(その時のレポートはこちらから)
サイドイベントでは、Alexandora氏によるGYBNの説明ののち、Bharath氏とKelvin氏から今年の10月と11月に実施されたアジアユースとアフリカユース向けの能力養成ワークショップについてそれぞれ簡単に説明がありました。
これらの概要説明を経た後、Melina氏からお待ちかねの「CBD in a Nutshell」第2版に関する説明がありました。このガイドブックの概要と背景として、GYBNによる6年間の生物多様性条約に関する能力養成活動によって蓄積された知識のもと作成されたものであり、クリエイティブに生物多様性条約の基本情報を掲載しているとのことでした。
また、このガイドブックの第1版のPDFはwebからダウンロードすることが可能なのですが、すでに93ヶ国から5000回のダウンロードがあったそうです。(PDFはこちらから)
さらに、このガイドブックは日本語、ドイツ語、スペイン語に翻訳されており、ポルトガル語への翻訳も準備中とのことでした。なお、日本語への翻訳は生物多様性わかものネットワークのメンバーも協力しました。
今回の第2版の作成にあたっては、今年7月にカナダで開催されたSBSTTA22のサイドイベントにて実施された第1版の改善点を指摘してもらうワークショップ(WS)の結果を反映させたとのことでした。
改訂した部分は主に「実施」の部分と「交渉」の部分です。「実施」の部分では20の愛知ターゲットそれぞれについての目的や達成状況のグラフなどを視覚的に表現し、第1版よりも愛知ターゲットについて理解しやすいよう配慮がされていました。
変更点②:交渉のフロー
今回のサイドイベントには日本、メキシコ、中国、スウェーデン、オーストリア、EU、エジプトの交渉官を招いていました。それぞれの国からはお祝いの言葉とこのガイドブックに対する期待が述べられ、作成したGYBNメンバーに対する労りの言葉をかけられました。また、中国の環境省の方からはぜひ中国語にも翻訳して様々な活動で使用したいとのありがたい言葉をいただくことができ、ホスト国であるエジプトの方からもアラビア語に翻訳したいとの意向が述べられました。
デザインも含めた完成はまだですが、第1版はすでに日本語に翻訳されています。この第2版もぜひ日本語に翻訳し、数多くのユースの能力養成のための勉強会やWSにて使用したいと思っています。
第2版のリリースを喜ぶGYBNメンバーと関係者
また、本日11月29日の朝、IUCNのミーティングにIUCN-J事務局長とともに出席し、昨晩のこのサイドイベントとCBD in a Nutshellに関する紹介を行いました。実物をお見せしたところ、とても興味を持ってくださり、webからダウンロードできないのか?などとも聞かれました。また、IUCN世界生物多様グループ部長のジェーン氏にお渡ししたところ、「ユースの声はみんな聞いているので、いまよりもっと大きな声で主張してくれるのを期待しているんだよ」とのお言葉をいただけました。
生物多様性わかものネットワーク/IUCN-J 矢動丸琴子
(千葉大学大学院/園芸学研究科/環境健康学領域/博士後期1年)