【ユースレポート】NGOによる会議場でのアクション:日本ユースも参加しました!

ポスト2020特別作業部会も残すところあと1日となりました。プレナリー(本会議)での議論も一区切りつき、議題4のさらなる議論として「ポスト2020の可能な要素」に関する追加的な議論グループが立ち上がり、ポスト2020の構造などについて議論を重ねています。

ここではCBD alliance(CBDのプロセスに関わるNGOの同盟)によって実施されたアクションについてご紹介します。
日本ユースももれなくアクションに参加しました!
以下で紹介するアクションは基本的に交渉をしている締約国に向けたものです。

DSC02982アクションに参加するため準備中の日本ユース

アクション1:バナーアクション

複数の色紙に訴えたいメッセージを大きく1つずつ書き、それぞれが1つずつ持って一列に並び、通りかかる人の目に触れるようにするものです。参加者が多くなればなるほど、迫力が増していました。書かれていた内容は、「あなたたちの決定が私たちの未来」「将来世代に向けた責任ある行動を」「私たちの地球がこれ以上死んでいくのを待てない」「法的拘束力のあるコミットメントを必要としている」「自然なくして人間はいない」「先住民地域共同体(以下、IPLC)は自然と調和して生きている」等でした。

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バナーアクションの様子

アクション2:サイレントアクション

3日目午前の本会議が始まる前、会議場に向かう途中で、メッセージが大きく書かれた色紙が椅子の上にたくさん置かれているのを見かけました。多様な色で多くのメッセージが置かれているとかなり目を引くため、本会議前に立ち止まって見ている人も多かったです。

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書かれていた内容は、「地球を守るためのIPLCロードマップ」「ポスト2020に強力な政治を求める」「生物多様性を守るためのさらなる資源」「生物多様性を保護・残す」「地球上の生物多様性を守る」「汚染者はお金を支払わないといけない」などでした。
このアクションはお昼の時点でも継続していました。

アクション3:バナー&コールアクション

3日目のお昼には、「良いもの」と「悪いもの」に役割を分けたアクションが行われ、こちらにも参加をしました。
「良いもの」は、「自然と人」、「悪いもの」は「企業」です。「自然と人」に関するキーワードを張り付けた人と、「企業」に関するキーワードを張り付けた人が、「どちらの声を聴きますか?」と書かれた布を挟んで、それぞれ分かれて立つことで対立構造を表現していました。

「自然と人」側での関連キーワードは、「アマゾン」「IPLC」「法的拘束力のあるコミットメント」「人のための資源」「マングローブ」「ジェンダー正義」「花粉媒介者の保護」「生物多様性=文化の多様性」等でした。対する「企業」側は、「過剰消費」「森林破壊」「ダム」「汚染」「農業関連産業」「モノカルチャー」「鉱業」等でした。

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実際のアクションでは、地球のビーチボールを持った「母なる地球」役が、「人々の力!」「欲しいものはジェンダー正義!」「法的拘束力のあるコミットメントを!」とコールアンドレスポンスの形式で投げかけ「自然と人」側が唱和していましたが、対する「企業」側はお金に見立てた紙を持ち、「欲しいものはお金!」「利益がほしい!」という対立する主張で邪魔をしていました。なお、日本ユースは服装の問題か、2名とも「企業」側で参加していました。

 

 

個人的な感想ですが、CBD allianceによるアクションはユニークなものが多いとCOP14の時と同様に今回も感じました。何かを訴えるアクションと聞くと、時に過激なものも想像してしまいますが、やっている側も楽しくなるようなアクションも大切なのだと感じました。(3つめの役割を分けたアクションはやっていて面白かったです。)

ただ、今回は一般的にも訴えられる内容を複数日に分かれて行っている印象で、COPの時ほどアクションのテーマにはバラエティがないように感じました。

また、主観ですが、今回のアクション内では特にジェンダーやIPLCに関する意見が目立っているように思い、実際に本会議内の意見表明でも、IPLCや女性、ユース参画の重要性が訴えられていました。人権についての言及も多く、生物多様性保全の課題と人権等の関わりがますます深まってきているように感じます。

矢動丸琴子(生物多様性わかものネットワーク/IUCN-J事務局)