COVID-19感染拡大による国際会議の延期の動き(6月12日更新)

全世界的に感染拡大しているCOVID-19(新型コロナウィルス)の拡大防止策の観点から、生物多様性関連の国際条約や重要なイベント等が、延期されています。

2020年6月12日時点情報に基づく、現状を整理しました。延期や日程検討など対応に苦慮されています。同時に、各関係機関のトップは一同にこの危機を乗り越えることの重要性と、それぞれの本来の条約等の活動が、長い目でみてCOVID-19のあるいは人と生物多様性の課題解決につながるものとして、世界全体の連帯の重要性を訴えています。IUCNもCOVID-19の対応に関する声明を先日発信しました。

生物多様性条約関連会合

会合日程について正式に公開されているものはこちら https://www.cbd.int/process/

5月に開催を予定していった科学技術助言補助機関会合や条約の実施に関する作業部会は、一旦8月中旬に延期された後、さらに伸びました。現在、オンライン開催の可能性、10月後半での開催が検討されています。

これに伴い、第3回ポスト2020作業部会(ホスト国コロンビア)、第15回締約国会議(ホスト国中国)は、延期が決定されていますが、延期後の日程・開催地等は、ホスト予定国と協議しながら検討中となっています。第3回ポスト2020作業部会を1月に、第15回締約国会議を2021年5月に開催するという意見なども出ていますが、正式に決定された予定はありません。

当初予定のCOP15(2020年10月)前の9月に開催をしようと検討されていた国連総会で、ネイチャーサミットは9月22日、23日で開催することが決定しています。

IUCN世界自然保護会議

公式サイト https://www.iucncongress2020.org/
6月11日から19日に開催予定であったIUCN-WCCは、延期が決定し、代わりの日程として、2021年1月7日から15日と案内されています。

様々なQ&Aが下記から見られます
https://www.iucncongress2020.org/newsroom/coronavirus-disease-covid-19-update

ラムサール条約

公式サイト https://www.ramsar.org/
ラムサール条約採択から50周年という節目となる2021年に第14回締約国会議(COP14)が計画されていました。2019年開催の第57回常設委員会にて、ホスト国については、中国の武漢がホスト市として名乗りを上げていることが報告されていました(常設委員会議事録 英語PDF)。
第58回常設委員会が2020年6月26日に開催予定のため、その場でもCOP14について検討されることが考えられます。

世界遺産条約第44回世界遺産委員会

公式サイト https://whc.unesco.org/en/sessions/44com/

南西諸島を世界自然遺産に提案(正式名称「奄美大島、徳之島、沖縄島北部(やんばる)及び西表島」世界自然遺産候補地)するプロセスが現在進行中で、その可否を決める世界遺産委員会が、中国福建省福州市で2020年6月29日より開かれることになっていましたが、4月15日の時点で、会議延期となることがウェブで公開されています。

世界遺産候補地の一つ。奄美大島のマングローブ林

世界遺産候補地の一つである奄美大島のマングローブ林

延期される場合に、諮問機関であるIUCNの評価についてまとめます。

評価の手順は、世界遺産条約の履行指針(2019 The Operational Guidelines for the Implementation of the World Heritage Convention 英語PDF)に定められています。履行指針168項によると、諮問機関であるIUCNによる現地評価(2019年10月)の後、IUCNは世界遺産パネルという専門家会合を開催。追加質問がある場合は遺産候補地提案国政府に1月31日までに照会を行い、提案国政府は、2月28日までに回答を行うこととされています。諮問機関は2月28日時点の情報に基づいて評価書を作成します。

評価書には、候補地の自然の特徴や管理体制の報告とともに、世界遺産としての可否やその理由・今後の課題や必要とされる取組等をまとめた、世界遺産委員会に対する勧告案が含まれます。この評価書は、世界遺産委員会が開催される6週前に(Six weeks prior to the annual World Heritage Committee session)、世界遺産センターおよび提案国に評価書を提出することが定められています。

規定に基づくと、世界遺産委員会延期に伴い、通常、5月に行われていたIUCNによる評価書提出の公表タイミングも延期される可能性がああります。

 

記事作成 道家哲平(IUCN-J/NACS-J)