SBSTTA19開会!

SBSTTA初日(11月2日)が始まりました。

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SBSTTA会議場の様子

朝のNGOミーティング

まずは9次から朝のNGOミーティングが始まります。そこでは、今日の議題についての関心を共有するとともに、SBIやIPBESとの関係について十分に理解するための議論を行なおうという話し合いました。IPBESには市民が参加していないという問題や、CBDに対する関心が低下している傾向があり、それにどのように対処しようかというフリーディスカッションが行なわれました。

 

本会議ー開会式の挨拶

10時から、SBSTTA本会議が始まります。
会議前は旧知の人々と挨拶をする時間を過ごしました。

SBSTTAの議長は、ニュージーランドのアンドリュー・ビグネルさん(IUCN地域理事)が務めます。

 

SBSTTA議長開会の挨拶

「保全と持続可能な課題についてポジティブなメッセージを出していきたい。私たちは、戦略計画の中間年を迎え、2020年をこえて大きな愛知目標を達成しなければならない。戦略計画および20の愛知目標があり、それに資する持続可能な開発目標もできています。ECO-DRRや森林に関する国際調整メカニズムなどが続き、生物多様性の注目は続いているとおもいます。この文脈で、SBSTTAは態度変容などにも活用できる社会科学等の新しい取り組みにも注目し、科学を政策に活かすという観点からの議論が大事となるでしょう。
GBO4では、生物多様性損失につながる政策の一貫性が重要とされたました。土地利用計画への組み込みなども必要性が指摘されています。
IPBESの事業計画が固まり、IPBESが果たす役割、新しく設立されたSBIなども役割を考える必要があります。PBESは2014から2018までの計画をたて、世界アセスメントを作成する動きとなっています。SBSTTAは次回ポリネーションに関するIPBESのレポートを分析予定。これによりIPBESとSBSTTAの関係もさらに深まっていく。条約とIPBESの相乗効果がはかられる。
IPBESにはSBSTTA議長として参加しており、非常に大きな進展があったことを締約国の皆に報告します。IPBESの世界アセスメントはすべての条約にとって重要な参照文献になるでしょう。SBIの設立は、実施に焦点を充てようと言う条約にとって重要な意味を持つことでしょう。
GBO4の重要な議論についてSBSTTA運営委員があつまり戦略計画をどう進めるか議論した。SBSTTAで議論すべき内容というについても精査し、地球工学や、戦略計画の指標、生物多様性と健康などの議論について検討を行った。 メインストリーミング(主流化)が非常に大きな影響を生物多様性保全に果たすと考えます。政府や先住民、地域共同体、民間部門などが一緒に参加することが重要で、これが持続可能な開発アジェンダの達成にも重要なパートナーシップを提供するはずです。
先の土曜日にはFuture Earthのワークショップも開かれて、科学的技術的協力の重要性などについてやパートナーシップの重要性などを考える機会となった。今回の会議で良い成果を得られることを期待します。

UNEP事務局長(代読)
「科学やツールはすでにあり、どのようにそれを活用するか、どれを活用すれば一番良い成果が得られるかというフェーズに来ている。そしてどのようなパートナーシップのもとでそれを実現するかということが重要。

SBIの設立は、科学と政策を実施に結びつける意味で重要な会合であると思う。SDGSの実施も含め、多国間環境条約の連携強化を進めている。専門家会合等も実施して、その相乗効果をはかるためのオプションペーパーもこの会議で検討をして欲しい。
生物多様性と健康に関するテーマをUNEPとしてフォーローアップをしており、SDGsとの関係も視野に検討を進めていく予定である。非常に多くの課題が複雑に絡み合っているが、複雑だからというのは行動しない言い訳にはならない。」

 

ディアス事務局長の挨拶

「SBSTTA19への参加を歓迎します。COP12で多くの重要な成果が生まれました。COP12の成果は戦略計画の2050年ビジョンの達成にも重要な影響をもっています。SBSTTA運営委員の協力にも感謝申し上げる。また、途上国から参加を支援した国々に感謝します。しかし、次のSBSTTAやSBIに向けて、全ドナーに対して、フル参加を保証する資源の支援を呼びかけます。初めて4日という短いSBSTTAとなりますが、これにより、8(J)作業部会に参加する先住民のSBSTTAへの参加も可能となると思います。
UN全体でumojaという新しい管理システムのせいで支払いなどの諸事が滞る場合があるが、締約国のご理解を求めます。重大な追加的行動がないと愛知ターゲットが達成しない状態である。今回はそのための科学技術について焦点を充てた議論をします。
生物多様性の損失に的確に対応するには、第1次産業等の取り組みをしっかり考慮し対応していくことが重要です。関連文書にも是非目を通してください

IPBESの成果はGBO5に重要なインプットを与えてくれるでしょう。その他にも重要な議論がある。生物多様性と健康についてや、気候変動に関係する地球工学について。最後に森林について、森林分野からの愛知ターゲット達成への貢献についてまとめました。
SDGSの達成にはあらゆる観点で生物多様性の重要性に支えられており、その関係性についてはinfo documentにまとめられた。UNCCDの会合でもリオ条約の連携についてまとまった。パリのUNFCCC-COP21でも合意を期待しているがこれも生物多様性に大きく関係します。
愛知ターゲット達成のために5年しか残されていない。その達成を進めるための科学的技術に集中して議論しよう。2050年ビジョンの達成をめざしましょう。
もう一つの課題として、GEFの第7次増資に向けての需要評価についてがあります。各国の意向が重要なので、どのようなニーズがあるかをはかるアンケートを埋めるための助言を行なっているので関心を持ってもらいたい。これがないとGEFが適切な配分(と先進国からの資金提供)が得られないので協力して欲しい」

次に運営に関して議論を行ないました。

なお、カナダから全般に関わる発言がありました。曰く、選挙が行なわれ、新しい政府への移行期にあり、いかなる発言も行なわない(行なえない)とのこと。CBDへの参画については強い関心があるのですが、非公式に発言できるけれど、ご理解いただきたいとのことです。

(公財)日本自然保護協会国産担当・IUCN-J事務局長 道家哲平