SBSTTA-20 レポート始めます。
2016年4月25~29日にかけて、生物多様性条約事務局のあるカナダ・モントリオールのICAO会議場にて、生物多様性条約第20回科学技術助言補助機関会合(CBD-SBSTTA20)が開かれます。にじゅうまるプロジェクト事務局は、世界との連携の中で愛知ターゲット達成を支援していく取り組み促進のため、会合に参加し、現地レポートを行ないます。国際会議の会場から、少しでも皆様の活動に役立つ記事をお届けします!また、今回はユース(生物多様性わかものネットワーク)の参加を支援しており、次世代からみた生物多様性条約という視点も発信する予定です。
今回のSBSTTA20の議題は下記の通りとなり、今回注目が高いとされているのは、「生物多様性の主流化(Mainstreaming of Biodiversity)」や、最近話題となっているマイクロプラスチックや海中騒音の問題等も含む「海洋と沿岸の生物多様性(Marine and Coastal Bioidversity)」です。また、今回の国際会議への参加・情報収集・発信の取り組みは、地球環境基金・経団連自然保護基金の支援を受けて実施しています。
主な会議の流れと議題
1. 開会
2. 運営事項
3. 生物多様性戦略計画2011-2020の実施、それに関連したプログラムや愛知ターゲットの達成についての科学的レビュー
4. 海洋と沿岸の生物多様性
4.1 生物多様性の観点から重要度の高い海域 ※1
4.2 生物多様性と冷水域での海洋酸性化に関する行動計画
4.3 海洋と沿岸の生物多様性における、海中騒音と海洋漂流物(Marine Debris)の影響への取り組み
4.4 海洋空間計画と、それに関するトレーニングのイニシアチブ
5. 侵略的外来種:貿易に関するリスク・生物学的コントロール・意思決定をサポートするツール
6. 合成生物学
7. 花粉媒介者・授粉・食糧安全保証に関するIPBES※2のアセスメントのレビュー
8. 生物多様性と気候変動
9. 持続可能な野生生物管理
10. 保護地域と生態系復元
11. 地球規模生物多様性概況第5版、第6次国別報告書のためのガイドライン、愛知ターゲットの進捗評価のための指標
12. 新規の緊急課題
13. 農林水産業を含む、多様なセクターを超えた生物多様性の主流化について
14. その他の事項
15. 文書の採択
16. 閉会
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※1 生態学的・生物学的に重要な海域(EBSA)
生物多様性条約第9回締約国会議(COP9)の決定において、EBSAの抽出が位置づけられるとともに、抽出のための基準が示され、地球上の海域のEBSA抽出がCBD事務局の主導で進められてきました。日本においても同様の基準を用いて、日本の管轄権内の海域を対象に「生物多様性の観点から重要度の高い海域」を抽出する作業が実施され、次のウェブサイトに掲載されています。
・生物多様性の観点から重要度の高い海域
http://www.env.go.jp/nature/biodic/kaiyo-hozen/kaiiki/index.html
・生物多様性の観点から重要度の高い湿地
http://www.env.go.jp/nature/wetland/index.html
※2 IPBES
生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム
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(公財) 日本自然保護協会・IUCN日本委員会事務局 佐藤真耶