ユースの分野における~生物多様性の主流化~のための活動
生物多様性わかものネットワークの稲垣です。生物多様性に関わる日本ユースとして世界ユースのGYBN(Global Youth Biodiversity Network)とともに国際会議に参加しました。GYBNは日本も含め19か国から集まりました。どの国から何人ほどきていたか、以下のURLから動画で確認できます。
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1203128839734770&id=337995759581420
COP13の中心テーマであったこと、また私自身、農業への主流化に関心があったことから今回、「主流化」に関する話し合いを主として追い、またGYBNとして提案などを行ってきましたので以下にその報告をします
「提言」
「主流化」についての話し合いの中に、日本ユースとして盛り込んだ意見は、分野横断的な主流化において、主流化のマイルストーンづくりに「ユース、先住民・地域共同体、女性」を参画させること。また全体として、普及啓発の施作におけるコミュニケーションの対象の文脈でも加えてもらうことも提案しました。この二点に「ユース」の文言を入れることで、ユースを主流化に関連するステークホルダーだと認識してもらえるように主張を行いました。
しかし、残念ながら他にユースに関する提言をした国はなく、ユースに焦点を当てた検討がされることはありませんでした。他の議題では、効果的なロビー活動の結果、ユースに関する文言を入れることに成功していたものもあり、主流化においては働きかけが弱かったと悔やまれます。
ユース参画以外の主張では、農業の主流化のテーマの中で「生態学的農業集約化」という語の使用をさけるというものがありました。主張の根拠や詳細は、今後GYBNのブログ(https://gybn.org/)にてアップされる予定ですのでご覧ください。この点に関して、ユースはカナダ政府に声をかけ、同意を求めました。結局、カナダから支持を受けることはできませんでしたが、スイスなどが同じ意見を表明していたのでブラケットがかかり検討事項へと持ち込むことができました。
「ロビーイング」
自団体の意見を、他の国に指示してもらうためのロビー活動を目の当たりにし、とても穏やかな様に驚きました。具体的にはユースのメンバーが会議が始まる10分前、交渉官のもとへふらっと赴き提案予定の意見を伝えます。そうして、相談するような感じで支持をお願いするのです。特に用意した紙などはなく、はたから見れば世間話に見えるような光景でした。話を持ち掛ける相手は、各国のスタンスなどから判断して賛同してくれそうな交渉官のもとへ行くのが最も効果的ですが、出身などのつながりを活かして話をしにいくことが多い印象も受けました。ユースは利害関係のない面で交渉官と接点を持てることが強みだと感じました。
会議場の外で、出身が同じユースに交渉官が声をかけている様子も頻繁に目にしました。関心を持ってもらうこと、激励の言葉をもらうこと、特にそれが同じ出身の人たちであればなおさらうれしいものです。まさに、資源の動員が無くてもできる支援。私自身の話をすると、日本の交渉官との交流があまりなかったので寂しさを感じることもありました。しかし、ランチをたべながらだったり、広報キャンペーンを行っているときだったり、容易に様々な国の交渉官の方々と接点を持つことはできました。一人で交渉に向かうのはなかなか高いハードルですが、他のユースも巻き込みながらそのつながりを使ってもよかったかもしれません。
「さいごに」
国際会議と聞くと華やかですが、話し合いは地道で泥臭いものでした。ユース参画を訴える過程も実に地道な作業です。意見表明をしてなにが変わるのか、何のために来ているのかわからなくなることもありましたが、あるイベントでIUCNの代表の方に思いを吐露すると、「簡単に社会は変えることはできない。でも、社会を変えたいという意思を示し続けることが重要。そして、一歩ずつ歩みを進めることを目指しなさい。そして、それを継続しなさい。どんなことも地道に継続して頑張ってほしい。」との助言をいただきました。私たちが自分で思うより多くの大人が若者を応援していて、さらなる頑張りに期待されていることを感じました。主流化の重要アクターとして、今後も地道に声を上げ続けていきたいです。
生物多様性わかものネットワーク
稲垣