SBSTTA1日目と事務局長の挨拶

海の青そして日差しまぶしい熱帯リゾートであるメキシコ・カンクンCOP13の成果を踏まえながら開催されるSBSTTA21は、鈍色の空から雪舞い落ちるカナダ・モントリオールで始まりました。今回は、先住民・地域共同体の伝統的知識の保護に関する作業部会(条約条文番号にちなんで、8(J)作業部会(エイトジェイワーキンググループ))と水曜から同時開催されるため、4日間の開催ですが、実質の協議時間は3日間相当の会合となっています。

初日は、開会式の後、午前・午後の会合を使って、2050年のシナリオ(議題3)、実施に関する政策手法(議題8)、野生生物管理(議題4)、生物多様性と人の健康(議題5)の議題を扱いました。

SBSTTA21開会式の様子。今回はパレ・ドゥ・コングレ(国際会議場)での開催です

SBSTTA21開会式の様子。今回はパレ・ドゥ・コングレ(国際会議場)での開催です

サイドイベントでは、製造業における生物多様性の主流化とその他の効果的な地域ベースとした保全手法(OECM)に関するサイドイベントに参加しました。

 

生物多様性のパラダイムシフトが必要‐事務局長の開会式あいさつ

IUCN-Jでも6月に意見交換を行ったクリスティアナ・パスカ・パーマー事務局長の挨拶がありました。*下記は、報告者が聞き取れた範囲のメモになります。スピーチの様子はこちらから写真が見られます

「今回が私の事務局長としての初めてのSBSTTA。SBSTTA議長テレサ・ムンディータさん(フィリピンから選出)とともに頑張っていきたい。オーストラリア、カナダ・ノルウェー・日本・EUなどからの参加支援のサポートへの謝意。UN Environment(これまで、UNEPと呼んでいた機関)にも感謝。今後の支援継続についてもお願いをしたい。

 

12月5日に、日本が名古屋クアラルンプール補足議定書を批准し、批准国が補足議定書発効要件の40カ国に達し、2018年3月18日に発効することになったことを皆とお祝いしたい。(会場から大きな拍手)

 

事務局長として、この条約の目標や課題を、私たちが、目に見える形でコミュニケーションをできているか、それを道を歩く人々政治家に伝えているだろうかと自問したい。私たちは多くのことをなしたが、、まだ目標には到達していないと言わざるをえないと思います。

 

この8か月で多くの国をマラソンし、話を聞かせてもらった。各地で多くの成果があることを、生物多様性の理解が高まっていることを理解した。また、UNの各種会合・プラットフォームでいろんな条約と協力関係を作るため議論し、BDのメッセージを伝えてきた。COPプレジデンシーとして活躍した、あるいはこれから活躍する、メキシコ・エジプト・中国も訪れた。COP14が、皆の活動を集約して愛知ターゲットのための行動加速を行う最後のチャンスであり、COP15では新しい戦略を計画しなければらない。

 

先週のIUCNレッドリストの発表では危機が高まっていることを教えてくれた。生物多様性がSDGsにとって重要であることが明らかになっており、「なぜ」を語る段階から「どうすればよいか」について議論することが重要で、構造的な変革が必要である。そのための科学技術の発展活用が必要で、第4の産業革命やビッグデータ革命などが起こっていて、これを活用することが重要である。

 

スイスでは、この課題にどう対策するかというブレストミーティングを実施した。再びスイスで春ごろに同様のイベントを実施する予定である。主流化の議論では、生物多様性に大きな影響を有する4つの産業群を対象に議論する予定である。これは財政も含め、様々なフォーラムで議論されていることでもある。これらの産業群には数十兆ドルの投資が流れており、生物多様性の組み込みが重要である。

 

来年はビックセレブレーション、25thアニバーサリーである。条約の成果を祝うだけでなく、更なる共同のための取り組みが、破壊されつつある地球を守るために重要である。

 

生物多様性に関するパラダイムシフトが重要である。この会議が成功することを祈り、事務局として力強くサポートすることを約束します。」

 

(公財)日本自然保護協会・IUCN日本委員会事務局長 道家哲平