愛知ターゲットの進捗は?SBSTTA22始まりました。
7月2日、カナダ・モントリオール・ICAO会議場にて、第22回科学技術助言補助機関会合が始まりました。COP14の準備会合のような位置づけで、生物多様性条約がカバーするさまざまなテーマについて、科学的・技術的側面から締約国や世界全体として今後何をすべきかを検討する場となります。といいつつ、代表として出席し発言を行うのは環境省など行政が中心の国が多いことから、科学的な議論を超えることもしばしばみられます。
開会にて議長のTheresa Mundita Lim(フィリピン)から議題の説明がありました。今回は、カルタヘナ議定書や名古屋議定書などの、条約のもとに作られた補足ルール(*議定書:各国で国会承認が必要な法的文書)も交えた議題を初めて扱うSBSTTAとなることが特徴の一つとしています。また、参加者は140カ国以上1100人を超す人々が参加登録をしています。
テレサ議長は、ユーモアあふれる人です。議題を読み上げた後、「議題が多くて大変だ」と言わんばかりに聞こえるように大きく息を吐いたり、ネット環境を保持するために、ブラジル戦とメキシコ戦・日本戦とベルギー戦の中継を見ないようにと発言して笑いを誘うなど、場の雰囲気を明るくするために心配りをされていました。
世界中から人が集まるタイミングを使って開かれるサイドイベントなども多く企画されており、これから、様々な視点で報告を行いたいと思います。
SBSTTA22議題一覧
1.開会
2.運営事項:役員の選出、議題の採択と仕事の組織化
3.遺伝資源の電子配列情報
4.生きた組み換え生物のリスク評価とリスク管理
5.合成生物学
6.特定の愛知ターゲットの進捗の科学的評価手法の更新と進展を加速する選択肢 ★
7.保護地域および保全や管理強化のための他の手法 ★
8.海洋と沿岸の生物多様性:生態学的もしくは生物学的に重要な海域、人間由来の水中騒音や海洋漂流物の取組、冷水域の生物多様性と海洋空間計画 ★
9.生物多様性と気候変動:気候変動適応と災害リスク緩和に対する生態系に基づいた取り組み
10.侵略的外来種
11.花粉媒介者の保護と持続可能な使用
12.第2回生物多様性及び生態系サービスに関する政府間プラットフォームの構想
13.その他の事項
14.報告書の採択
15.閉会
★マークは、このレポートで詳しく紹介する予定の議題です。
道家哲平(日本自然保護協会/IUCN-J事務局長)
*今回の情報収集は、環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて実施します。