8月30日 第3回ポスト2020作業部会 CG4

8月30日20時(日本時間)に、第3回ポスト2020作業部会のコンタクトグループ4が行われました。多くの文章と目標について意見を得るため、先週土曜日までに、各国やオブザーバーからの意見提供を求め、事務局がまとめた文書に基づいて進行されました。

IUCNアジアの関係者とポスト2020枠組みを話あったアジア地域委員会(中国、黄山)

IUCNアジアの関係者とポスト2020枠組みを話あったアジア地域委員会(中国、黄山)

前半は、行動目標に続く、文章(H章からK章)までについて、事務局まとめ資料で意見が反映されているかのチェックをしつつ、反映の趣旨が異なるものを直す、追加の指摘をするという進行です。政府がすでに意見を出しているため、締約校の発言数も少なく、オブザーバーにも意見や提案の機会が回りました。後半は、目標16(市民への主流化)について意見だしが行われました。

新規の意見を出す国やNGOが多くあったため、明日まで、意見募集の期間を延長するとの案内もありました。

H章の支援メカニズム(Implementation support mechanism)の実施では、資源動員と主流化に関する記述を具体化する意見が出されました。

I 章の条件整備(Enabling Condition)では、全政府アプローチの記述に、あらゆるレベルの政府(多様な形態の地方自治体など)を加える意見や、多国間協定との連携に加えて、あらゆるセクターの主流化や、相乗効果や調整の重要性などを指摘する意見がありました。また、権利ベースアプローチの重要性などを追記する案も出されています。

J章の責任と透明性(Responsibility and Transparency)については、国家戦略の更新やそこでの目標設定と目標のコミュニケーション、中間評価と最終評価の仕組みの導入:中間評価時に、各国の目標や実施を積み上げて世界目標とのギャップを確認するプロセスを設定する案。生物多様性国家戦略(NBSAP)と世界指標との連動などの指摘がなされました。企業グループからは、企業グループ等による非政府分野からの公約や実施を報告等に入れる提案、TNFDの言及等、生産セクターの言及、そして、後退しない仕組み(ラチェットアップメカニズム)の言及の追加などが指摘され、複数の締約国からも支持を得ていました。

K章のアウトリーチ、普及、理解向上では、態度変容(Behavior Change)、教育などについての言及を追加するアイディアが出されました。

道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)