IUCN-WCCマルセーユの開幕

2021年9月3日より、フランスのマルセーユで、IUCNが4年に1度の頻度で開催するWorld Conservation Congressが開会されました。

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9月4日0時(日本時間、現地時間9月3日17時)に始まった開会式は、アーティストによるパフォーマンス(演奏や美しい映像の投影、ダンスなど)から始まり、ジャン会長によるスピーチから始まり、ゲストからのメッセージが続きます。

UNESCOのオードリー事務局長は、1948年に、UNESCOとIUCNが生まれた事に触れ、生物多様性の危機にUNESCOとしてもリーダーシップを発揮し、

1.地球の30%の保護を推進。UNESCOのエコパークやジオパークの仕組みを活用し、2030年までに、保護地域の2倍を公約

2.人と自然の共生のための教育の強化として、自然に関する学びを増やす教育カリキュラムに変えていくことを提案。
3.生物多様性に関する研究とその成果の波及、文化や芸術、映像などの力を活用することを提案

などのメッセージを発信しました。

中国の李克強首相のビデオメッセージ寄せられ、「気候変動や災害を克服するための自然保護の強化に務める。自然保護を持続可能な開発をともに強化るために、保護地域や保護地域ネットワークの強化、自然に根ざした解決策(NbS)、グリーンファイナンス、持続可能な消費を進めつつ、このプロセスを通じて気候変動にも取り組んでいく。森林や海の保全を通じた気候変動緩和対策や、中国のCO2クレジットマーケットの発足などをすすめることを宣言しました。

オープニングのパネルディスカッションには、マクロン・フランス大統領、ブラジルの写真家セバスティオ・サルガド、ティンマーマンスEU副大統領、マハマド・ニジェール前大統領、リガルド欧州中央銀行総裁、ジルベール国際農業開発基金(IFAD)、キリアコス・ギリシア首相などのハイレベルによるメッセージが発信されました

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閉会の挨拶は、ブラジルの熱帯林保全の活動を続けてきた俳優ハリソン・フォード氏による力強いスピーチで締めくくられました。IUCN-WCCは、9月4日かフォーラムが開かれ、9月10日まで続きます。

道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)