初日(21日)の動き

第4回ポスト2020作業部会が、始まりました。会場は、第1回会合と同じ、UNEP本部があるケニアのナイロビです。

本会議場の様子

本会議場の様子

共同議長のバ―ゼルさん、オグワルさん進行の元、会議が進みました。
初日である21日の午前は開会・オープニングステートメント、議事進行の確認、ポスト2020枠組みとDSI(電子化された遺伝子情報の取り扱い)に関する確認等を行いました。
午後は、議題4ポスト2020枠組み、議題5DSIの進行確認と、ポスト2020枠組みのコンタクトグループ(CG6)が行われ、前回(第3回ポスト2020作業部会)集中的に議論したゴールや行動目標「以外」の各セクションを検討をおこない、夜(19時半から22時半)もその作業を進めました。

開会式

開会式の挨拶では、インガーアンダーセンUNEP事務局長、共同議長である中国、ムレマ事務局長などから行われました。ムレマ事務局長からは、昆明で開催予定のCOP15が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、12月5日から17日にかけてカナダのモントリオールで、中国が引き続き議長国としてのリーダーシップを果たしながら開催することが宣言されました。

その後、議長国の中国、ホスト国のカナダからも発言がありました。最後に、共同議長から、合意できていないことを示すカギカッコ(ブラケット)を消し、合意に向けて取り組むのが締約国の役割であると強調しました。

その後、地域からのオープニングステートメントが行われました。アジア太平洋地域、EUといった地域だけでなく、ブルーリーダー(海洋保全を推進する国の連合)や、HAC/Leaders Pleadgeなどの野心国連合、G7などのポスト2020に向けた特別なグループやメッセージの共有等も行われたのが特徴的でした。

30by30への寄与や自然再生、文章としての明確さ、気候変動との連動、自然に根差した解決策の強調。フットプリントの減少、社会変革の重要性(IPBESで特定された産業の変革:農業、インフラ、電力など)。高い意欲度での目標設定。意欲度に合わせた高い意欲度の支援メカニズムの充実、資源動員戦略、ワンヘルスアプローチ、ABSやDSIなどの意見に隔たりのあるテーマの解決など、多岐に渡る「重要な視点」が各地域・国家グループから紹介されました。

メジャーグループやオブザーバーの発言も許可され、先住民、ジェンダー、ユース、NGO、自治体、企業・金融機関と、なかなか社会に声を発することのできないグループ順に、今回会合への期待や各グループとして重視をしていることなどが共有されました。

<ゴールや行動目標以外の各セクションの検討>

ポスト2020作業部会は、本会議(Plenary)を開会・中間評価・閉会と決定採択の3回だけ開催し、残りを、コンタクトグループという集中討議で行います。コンタクトグループは、最大で2つまで同時進行で行われる進行案です。

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コンタクトグループ6は、ナイロビ会合で新たに作られた会議体で、これまで未交渉だった内容を扱います。

21日午後は、セクションHからKを、夜は、AからDの特にBbisについて、意見出しを行い、全部が終わらなかったため、木曜日に再度開かれるCG6で意見出しを完了した後、CRP(Conference Room Paper)を作成して、より詳細に文言を詰めていくという進行になると、現時点で予想されます。

コンタクトグループの議論はどの国がどう発言したかなどを公開してはいけない事になっているので、詳細は除きますが、セクション名や内容の整合を行うという趣旨から、I条件整備と、Bbis基本原則(仮)が内容が近いので一緒に協議し、場合によってはくっつけるという、目次レベルの整理も行う予定です。

基本的な議論の構図は、生物多様性に関するユース団体COND(Change Our Next Decade)が企画した「CONDと学ぶ!〜OEWG4準備編〜」という動画で紹介していますのでご覧ください。

(公財)日本自然保護協会・国際自然保護連合日本委員会
道家哲平