ポスト2020枠組み作業部会3日目(12月5日最終日)の進行

COP15の直前に3日間だけ開かれた第5回ポスト2020枠組み作業部会は閉会を迎えました。

 

finish

午前は、CG(Contact Group)1で、人と自然の共生というビジョンを具体化するゴールをC(遺伝資源の公正公平な配分に関する2050年像)、ゴールB(持続可能な利用や管理に関する2050年像)、その後短い次回でゴールAを検討しました。ゴールAは、長い全部が入った文案と短い省略された文案の選択肢が2つがありましたが、どの選択肢を選ぶかだけでも長い時間を要し、共同進行が選んだ後にもコメントがでて、前に進まないという様相でした。午前のCG2では、持続可能な利用や汚染に関する行動目標が検討されました。

午後(というか、この時点で今までのような10時から13時、15時から18時という時間配分が機能してませんが)は、目標10と11を検討するCG3が、原則を扱うCG6、DSIのCG5が開かれたのち、20時からプレナリーを開催し、3日間の成果を取りまとめました。

20時からの本会議(プレナリー)では、コンタクトグループの議論を振返りつつ、その時点でまとまったGBF文案の確認を行いました。その内容は、別途記事で振り返りますが、進展はあったものの、数多くの非合意事項を残すかたちで、課題の多くを積み残した結果となっています。

その中では、合意でまとまったと思ったジェンダー目標のキーワードであるGender-responsiveをロシアがGender-sensitiveに変更したいと言い出し、長い議論の結果、responsiveにブラケットをかける(合意ならず)という結果に終わり、会の雰囲気が非常に悪くなるなど、COP15の波乱の展開を予期させるような一幕もありました。

そのような展開はあったものの、予期せぬ4年越しの準備が不完全とはいえ完了し、長らくの重責をやり遂げたフランソワ・バーゼル両共同議長の晴れやかな顔はとても印象的でした。

6日は、15時からオープニングセレモニーが開かれ、7日から、COP15の本会議が始まります。

 

国際自然保護連合日本委員会 事務局長 道家哲平(日本自然保護協会)