クリスマスシーズン中、CBD CoPに飾り付けの多いクリスマスツリーは避けたい。

IUCN―Jメンバーである野生生物保全論研究会(JWCS)に所属し、今回のCBD CoP 15にIUCN―Jのユースとして参加中の安家(あけ)です。

3日〜5日に開催されたOEWGで特に頻繁に取り上げられていた単語「クリスマスツリー」について、今回のブログで取り上げようと思います。

私はこれまで、2021年に開催されたIUCNの世界自然保護会議にオンラインで参加したことはあったものの、このような大きな国際会議に現地参加するのは人生で初めてでした。そのため、不安と期待が混ざり脳内はマーブル模様。OEWGが終わった今、頻繁に耳にする単語が出てきました。

OEWGでは、私は主に「生物多様性の危機の縮小」の行動目標1〜8を取り上げるワーキンググループに参加しました。

コンタクトグループ2の雰囲気

コンタクトグループ2の雰囲気

その中でも生態系の回復・維持に関する行動目標1では、原始的な自然地域の比較的多い国と少ない国での対立意見が目立ちました。このように対立意見が出た後、歩み寄り(Compromise)案が各締約国から提案されたり、あるいは異なる提案が出されたりして、行動目標の文言がどんどん追加されていきました。時には、行動目標の文章を丸々提案する、なんてこともあり、目の前のスクリーンは赤文字だらけに。

CG2成果文書該当箇所の内、ブラケット内を赤字にしてみるとこのようになる

CG2成果文書該当箇所の内、ブラケット内を赤字にしてみるとこのようになる

このように、締約国の意見をどんどん文言に取り入れていった結果、喜ばしくない「クリスマスツリー」が出来上がります。ファシリテーションを行なっている進行役を筆頭に、頻繁に「クリスマスツリーの飾り付けはもうやめよう!」と、各締約国に訴えているシーンが多くありました。

クリスマスシーズンの今だから、比喩で「クリスマスツリー」と言っているのかと思っていましたが、ジュネーブ会合の時から使われているようです(参考:COND事務局Youtube「CONDと学ぶ!OEWG4現地中継編」)。

ちなみに、モントリオールの街はクリスマスモードで、クリスマスツリーやイルミネーションが多く飾られています。街並みのクリスマスツリーを楽しめる時間があればいいですが、この調子だと会議室で赤文字のクリスマスツリーを眺める時間で埋もれるかと思います。

他にもよく耳にしたのは、

「ナイロビ会合ですでに話し合って決まったじゃないか」と「時間がない」でした。

このことからもわかるように、OEWGでは決着がつかず、CoPに持ち越しのものが多くあります。

各締約国の歩み寄りがどのようにしてなされ、これらの文言がどのように落ち着くのか、その根拠も含めて、フォローしていきたいと思います。

(JWCS野生生物保全論研究会 安家 叶子)