4日目の進行(12月10日)

12日間あるCOP15の4日目が終わりました。日曜・月曜と様々なフォーラムが開かれ、その後6日間の交渉が再開されるので、ちょっと変則的なのですが、「中間」を迎えた形です。

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展示資料と折り紙

少しずつ参加者も増え、いろんなイベントも活況を迎えてきました。昨日、2時間のイベントを行ったCEPAフェア会場では、1日がけで、生物多様性世界コミュニケーションフォーラム(Global Biodiversity Comunication Forum)が開催され、ゲーム要素を盛り込んだ市民科学の取組みとしてバイオームの渥美さんや、生物多様性MY行動宣言の事例を私が発表する機会などもありました。

午後には、第1週の成果を振り返る本会議が開かれ、オブザーバー中心に声明が読み上げられたのち、第1作業部会や第2作業部会の報告を受け、検討の済んだ決議の採択が行われました。

夜には、海洋沿岸、IPBES、DSIそしてポスト2020枠組み(GBF)の行動目標4-7が協議されました

第1作業部会の報告

全議題について検討や県都の進め方の確認を終え、名古屋議定書関連の議論も行った。準備会合からの提言に基づいて、あるいは、微調整を行って、直接CRPを作成した議題やコンタクトグループを設置し検討していることが報告されました。。引き続き、検討事項が多いものの、多くのCRP文書が作成されているとの報告です。

他方、ポスト2020枠組みは、継続的な審議を継続的に行っており、A~Eについての協議、基本原則(セクションBbis)はスモールグループで起草中、モニタリング指標-付属文書1だけを残し、メイン文書はbracketを外せたが、引き続き行動目標の進捗を測るのに用いられるヘッドライン指標については作業継続していることが報告されました。

電子化された塩基配列情報の扱い(DSI)について様々なステークホルダーの意見が多岐に渡ることから。議長の友会合(FoC)を設置し、能力養成や、技術協力など。可能な選択肢が何かの議論を重ねていることが報告されています。

資源動員については、資源動員の後継戦略について検討しているとのことです。

能力養成や科学技術協力や移転については、多くのbracketを外せたが、継続審議事項(パラ29にある能力養成に関する体制ついて議論の議論が、ハイブリットメカニズムが多数の意見)について検討している点

立案やモニタリング、評価の仕組みについて議論。NBSAPガイダンスを合意(Non Paper)、国別報告書のテンプレを大枠合意、付属書3(Non-state Actor Contribution)はCOP15では議論しない可能性が高く、付属書4はまだ議論できていない。決定本体も議論できていないと進捗の厳しさをうかがわせる報告でした。

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第2作業部会の報告

6つのセッションを実施し、各国の協力もあって前進があったとの報告があった。多くの議題について、会議文書を決定案(L文書:Limited CirculationのL。法的チェックや文法チェックなどを行う必要がある)まで進めることが出来たとの報告がありました。

農業は、多くのbracketが外せたが、行動計画がまだ合意できていない、合成生物学は良い進展があり、ホリゾンタルスキャニングの頻度等も議論できた。合意できていない文書が残っている。リスクアセスメントは、作業がかなり進んだ。気候変動が、歩みが遅く、9ある文章の内7つにブラケット、そのうち2つがbracketを外せただけにとどまり、健康と生物多様性は、CRP作成に向けて作業中であるとの報告です。

中間本会合での決定事項

COP決定は、20議題の内、5議題の決定を採択できました。CP-MOP14は、11議題の内7つを採択、NP-MOP4は、10議題の内5議題を採択しました。

2つのMOPは、解決していない議題を紹介した方が早く、解決してない議題をは、多国間条約や機関との連携、資金関係の議題が残っているのがよくわかります。

CP-MOP継続審議:「カルタヘナ議定書の実施計画とキャパシティ・ビルディングの行動計画」「資金メカニズム及び資源に関する事項(第28条)」「他の組織、条約、イニシアティブとの協力」

NP-MOP継続審議:「他の国際機関、条約及びイニシアティブとの協力(第29条)」「ポスト生物多様性世界枠組み」「遺伝資源に関するデジタル配列情報(DSI)」「名古屋議定書第 4 条第 4 項に関連する国際的なアクセスと利益共有のための専門的な手段」「 グローバルな多国間利益共有メカニズム(第 10 条)」

決定事項一覧(カルタヘナ議定書関係)

モニタリングと報告(第 33 条)
議定書の有効性の評価とレビュー(第35条)及び2011年から2020年までのバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書戦略計画の最終評価
バイオセーフティ・クリアリングハウスの運営・活動(第20条)
条約及びその議定書の下での構造及びプロセスの有効性の審査
リスク評価とリスク管理(第15条および第16条)
遺伝子組換え生物の検出と特定
社会経済的配慮(第26条)
責任と救済に関する名古屋-クアラルンプール補足議定書

決定事項一覧(名古屋議定書関係)

資金メカニズムおよびリソース(第25条)。
能力構築及び能力開発を支援するための措置(第22条)及び遺伝資源及び関連する伝統的知識の重要性に対する認識を高めるための措置(第21条)。
Access and Benefit-sharing Clearing-House 及び情報共有(第 14 条)。
モニタリングと報告(第 29 条)。
構造及びプロセスの有効性の検討

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国際自然保護連合日本委員会 事務局長 道家哲平(日本自然保護協会)