5th WCC 参加報告9月10日

フォーラム期間も後半になり、地元韓国などが出展している展示ブースも回っています。地元の済州特別自治道が積極的にPRしているのは、ガパド(Gapado)という島から始めて済州島へと展開を計画する「二酸化炭素ゼロ・プロジェクト」と、済州島の特異な自然遺産・ゴッジャワル(Gotjawal)の森。

 

ガパドは済州島の南にある131世帯の小さな島ですが、島外からの電力供給はなく、この9月から車を含めてすべてを自然エネルギーで動かしています。太陽光発電、風力発電、蓄電池、電気自動車、そして電力の流れを最適化する送電網(スマートグリッド)を組み合わせることで、これまで使用していたディーゼル発電を止め、世界初の「二酸化炭素を出さない有人島」を実現したそうです。また、同様の取組を徐々に大きい島へと展開し、2020年までに済州島のエネルギーの50%、2030年までに100%を自然エネルギーでまかなう計画です。

 

ゴッジャワルの森

ゴッジャワルは、溶岩の岩塊が不規則に転がっている地帯に形成された森のことで、多様な動植物が共存し、独特な生態系が維持されています。

風穴(スムゴル)

人口が集中し耕作地などに使われた海岸地域と牧畜 などに使われた山間地域に挟まれた中山間地域(標高約200 ~ 400m)に分布し、緩慢な傾斜を持つ済州島の東西方向に発達しています。

外部温度とは違い、冬には暖かく、夏には涼しく維持される「風穴(スムゴル)」と呼ばれる地形のため、島内で暖帯林と温帯林の両方を見ることができます。

こんなキノコがいっぱい

4大ゴッジャワル地帯の1つ、翰京(ハンギョン)-安徳(アンドク)ゴッジャワル地帯の一部をトレッキングするツアーに参加

ホソバカナワラビ

すると、岩の上にびっしりと生えた苔、エノキ、アカメガシワなどの落葉硬葉樹、シダ、そしてたくさんのキノコの、ちょっぴりもののけ姫の森に似た不思議な世界を見ることができました。ただ、薪炭林として利用されていたところが多く、40年前から保護されている新しい森でした。

 

来年にはGotjawal Provincial Parkとして正式にトレッキングコースが公開されるようですが、目下、すべて手作業で重機を入れずにトレッキングコースを整備しているとのことです。

おもてなしのおもぎ

 

 

 

ツアーの最後には、地元の方からのもてなしのお菓子(おはぎに似たおもぎ)までいただきました。

30年後、どんな森に育っているか楽しみです。

IUCN-J にじゅうまるプロジェクトスタッフ 種田あずさ