COP14第1週目が終わりました。

生物多様性第14回締約国会合(CBD-COP14)の第1週目が11月22日(木)終了しました。こちらはアラブ暦を取るようで、お休みが金曜と土曜日に設定されており、会議の再開は、25日の日曜日からとなります。本会議または第1・2作業部会は日曜日からなのですが、コンタクトグループなどの交渉会議は土曜日も行われ、また、自然と文化サミット自治体サミットサステナブルオーシャンデー海洋保全に特化した1日イベント)など関連イベントは、金・土の期間も行われています。

 

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 会議場の様子

 それでは、これまでのCOP14の様子を振り返ってみましょう。このエジプトでのCOPは、初めてアフリカ大陸のCOPホストという位置づけとなります。サミットでは「生物多様性アフリカ閣僚級宣言(PDFが開きます)」が出されました。2021年から2030年を自然再生の10年にしようという提案が組み込まれています。

11月14日‐15日は、企業と生物多様性フォーラム閣僚級会合が開かれ、閣僚級会合では、「シャルムエルシェイク宣言 人々と地球のための生物多様性への投資(PDFが開きます)」が採択されました。

16日は休日という位置づけです。しかし、一部閣僚やハイレベル参加者の二者会談は開かれていたり、NGOでは、CBDアライアンスコーディネートによる、17日から本格的に始まるCOP14に向けたNGO準備会合などが行われていました。

11月17日、午前中は、エジプト大統領が来る開会式が開かれました。セキュリティーの関係でホスト国側の警備計画が、CBD事務局にも知らされておらず、バスの移動・会場の出入りなどかなりの混乱が見られました。そのようなハプニングもありつつ、17日COP14が開幕されました(CBD事務局長の挨拶はこちら(PDFが開きます))。

会議は、本会議(Plenary)開催ののち、議論の効率化の関係から本会議から付託をうけて、第1作業部会(Working Group1-CBD全体にかかる事項を協議)、第2作業部会(Working Group2-外来種、海洋などテーマ別の事項を協議)に分けて10時―13時、15時―18時の時間帯で進行。合間にサイドイベントや、CEPAフェアやRioパビリオン、展示など様々な“サイドイベント”が開かれています。(COPについては、にじゅうまるブログで詳しい解説を提供中)。

作業部会で検討するには、意見が分かれているテーマは、Contact Group(コンタクト)が立ち上げられます。記録が完ぺきではないかもしれませんが、コンタクトが立ち上がったテーマ=今回の注目交渉テーマは、「遺伝資源デジタル配列情報Digital Sequence Informatio on Genetic Resources」「合成生物学(Synthetic Biology)」「生態学的・生物多様性的に重要な海域(EBSA)」そして「ポスト2020枠組み」です。

第1週目最終日の11月22日には、一通り全議題の検討がおわりCRPという交渉文書はほぼ出そろいました。例えば「地域を元とした保全手法(保護地域含む、詳しくは、ブログ記事を参照)」の議題など、重要な位置づけの決定であるものの、SBSTTAなどの準備会合でほぼほぼ議論がまとまったものはスイスイと検討が進められた印象があります。一部、CRPの検証を終えたものもあり、11月22日午後の本会議で、L文書(合意文書)として採択された決定もあります。

 

第1週目は、展示の設営や、UNDB-DAYというイベントの主催などがあり、かなりバタバタとしていたため、ブログでの発信内容も限られていました。第2週も引き続き、COP14@エジプト、シャルムエルシェイクより情報発信を続けたいと思います。

 

道家哲平(日本自然保護協会/IUCN-J事務局長)

*今回の情報収集は、環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて実施します。