【にじゅうまる関東ミーティング&戦略会議 開催レポート】 ~戦略会議編③~

にじゅうまる戦略会議(3月27日開催)では、今年度重点的に取り組むべき愛知ターゲットを4つに絞り、「にじゅうまるCOP2(※1)に向けて何をしたいか」というテーマのもと、各ターゲットに分かれてグループディスカッションを行いました。

今日は、ターゲット7 農業・林業・養殖業のレポートです。
ファシリテーターにはラムサール・ネットワーク日本 安藤よしのさん、アドバイザーは農林水産省 畠沢重年さんをお迎えして行いました。

 

【ターゲット7 農業・林業・養殖業】

DSC_7637ターゲット7のGBO4(地球的規模生物多様性概況第4版)による評価は、「環境への悪影響を回避しながら、増大する需要を満たす方法を見いだす必要があり、国際社会にとって難題である」とされています。

日本では、田んぼにいきもののにぎわいを取り戻そうと「田んぼの生物多様性10年プロジェクト(http://bd20.jp/tanbo/)」が2年前より動いています。今回はこれらに関することも踏まえ「にじゅうまるCOP2に向けて何をするか」が話し合われました。

 

「田んぼの10年プロジェクト」とは愛知ターゲットの20の目標を水田、稲作の立場に置き換えて作成された18の目標からなります。2015年3月時点で81の団体・個人が参加しており、各地に活動が広まりつつあります。ここで得たノウハウをもとに林業、養殖業の事例集を作るなど、生物多様性に関する内容を広めていけるのではないかという話し合いが行われました。

 

また日本では農業が生業としてなりたたない部分がある、という課題を都市部がどのように支えていけるか、今後考えていきたいという話もされ、そのために現場に人を呼ぶための楽しいイベントを行っていきたいという話もされました。

 

他にも、「企業の管理する森は、生物多様性が高い所が多いので、そのような場所で生物多様性につながるようなイベントを開催することもできる。」といったことや、参加していた企業の方からは、「以前は燃やすだけだった間伐材も、企業連携をして、以前とは異なる活用方法を考え製品にする取り組みをおこなっている。」といった現場からの報告がありました。また、生物多様性をどう利用するか考える際に「資源としては認識している」、「活用方法を具体化することが重要」「今後としては生産地と消費地を近くする産業の集約化が課題なのでは」という議論もされました。

 

他のターゲット参加者も含め議論の共有を行った際には、「ISO14001の改正に合わせて、生物多様性に直結しない企業は何をすればいいか困っている。」という話があり、「社員食堂に地産地消の製品を取り入れた際、補助金やエコポイントといった活動の見える化を図るのはどうか。」という案も出ました。

 

(※1)
にじゅうまるCOPとは、にじゅうまるConference of Partners(パートナーズ会合)の略で、にじゅうまるプロジェクトに加盟している団体が一堂に会し、開催される会議です。2年に1回、生物多様性条約のCOP(Conference of Parties)を開催しない年に開催します。前回、記念すべき第1回目のCOPは、2014年2月15、16日に大阪で開催しました。(詳細はこちら

今年度(2015年度)は、2016年1月~2月の間に、名古屋で開催する予定です。

 

 

その他基調講演に関する記事は以下をご覧ください

・基調講演編①、生物多様性条約 第12回締約国会議(CBD COP12)関する報告

・基調講演編②、IUCNの第6回世界公園会議(WPC6)に関する報告

・基調講演編③、パネルディスカッションに関する報告

・戦略会議編①、ターゲット2 各種計画への組み込みに関する報告

・戦略会議編②、ターゲット3 補助金・奨励措置