【にじゅうまる関東ミーティング&戦略会議 開催レポート】 ~戦略会議編①~

今日はにじゅうまる戦略会議で行われたグループワークに関する報告です。

 

にじゅうまる戦略会議では、今年度重点的に取り組むべき愛知ターゲットを以下の4つのターゲットとし、「CBD-COP13(2016年度開催)を視野に入れ、にじゅうまるCOP2(※1)に向けて何をしたいか」というテーマのもと、各ターゲットに分かれてグループディスカッションを行いました。また、各グループには、その道の活動で活躍している方々をファシリテーター・アドバイザーとしてお呼びしました。

 

ターゲット2 各種計画への組み込み(今回の戦略会議では、生物多様性の主流化と読み替え)
ファシリテーター:CEPA ジャパン 宮本育昌さん、IUCN-J 道家哲平
アドバイザー:UNDB-J事務局(環境省 生物多様性施策推進室) 岡野隆宏さ

ターゲット3 補助金・奨励措置
ファシリテーター:野生生物保全論研究会(JWCS) 鈴木希理恵さん

ターゲット7 農業・林業・養殖業
ファシリテーター:ラムサール・ネットワーク日本 安藤よしのさん
アドバイザー:農林水産省 畠沢重年さん

ターゲット11 保護地域
ファシリテーター:国立環境研究所 勝又聖乃さん
アドバイザー:環境省 生物多様性地球戦略企画室 中山直樹さん、IUCN-J 吉田正人

 

【ターゲット2 各種計画への組み込み】

前回の記事で少し紹介したのですが、GBO4(地球規模生物多様性概況第四版)によると、ターゲット2を達成するために取られる行動は、他の目標達成に大きな良い影響を与えるとされています。そのため、にじゅうまるプロジェクトでは、当ターゲットを2015年の重点目標のひとつとしました。しかし、各種計画への組み込みだけでは議論の広がりが少ないため、今回の戦略会議では、ターゲット2を広く「生物多様性の主流化」ととらえ議論を行いました。

 

1ターゲット2で議論のキーワードとなったのは、ISO14001の改訂、MY行動宣言、生物多様性地域戦略、教育等についてです。
まず、企業向けの主流化については、今年ISO14001の改定発表が予定されており、生物多様性及び生態系の保護に対してもコミットメントが追加されることが、主流化を進めるチャンスに繋げられるのではないかとされました。また、生物多様性の問題にとりくむことが、ビジネスリスク回避/ビジネスチャンスにつながるということを示していくことも重要だと発表されました。

 

全般的な主流化に関しては、MY行動宣言の活用が検討されました。MY行動宣言とは、生物多様性を守り、その恵みを受け継ぐために私たちにできる身近な行動を、5つのアクション(「たべよう」「ふれよう」「つたえよう」「まもろう」「えらぼう」)に落とし込んだものです。(詳細はこちら
現在UNDB-Jでは、2020年までに100万人に「5つのアクションをするぞ!」と宣言してもらうことを目標としており、どうやったら達成出来るのかが議論されました。

 

結果、100万人という大きな数を動かす時には、「たべよう」が最も響きやすいだろうとの議論となり、今後のMY行動宣言を広めていく切り口としていくことが発表されました。
教育というキーワードでは、子供達に教えると親にも知識が伝わるので有効だとされ、博物館での教員向けイベント開催や、教員免許更新の研修でも生物多様性について扱う等の広げ方が考えられるとされました。

 

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※1

にじゅうまるCOPとは、にじゅうまるConference of Partners(パートナーズ会合)の略で、にじゅうまるプロジェクトに加盟している団体が一堂に会し、開催される会議です。2年に1回、生物多様性条約のCOP(Conference of Parties)を開催しない年に開催します。前回、記念すべき第1回目のCOPは、2014年2月15、16日に大阪で開催しました。(詳細はこちら
今年度(2015年度)は、2016年1月~2月の間に、名古屋で開催する予定です。

 

その他基調講演に関する記事は以下をご覧ください

・基調講演編①、生物多様性条約 第12回締約国会議(CBD COP12)関する報告
http://bd20.jp/20150414/

・基調講演編②、IUCNの第6回世界公園会議(WPC6)に関する報告
http://bd20.jp/20150415/

・基調講演編③、パネルディスカッションに関する報告
http://bd20.jp/20150416/