【にじゅうまる関東ミーティング&戦略会議 開催レポート】 ~戦略会議編④~
にじゅうまる戦略会議(3月27日開催)では、今年度重点的に取り組むべき愛知ターゲットを4つに絞り、「にじゅうまるCOP2(※1)に向けて何をしたいか」というテーマのもと、各ターゲットに分かれてグループディスカッションを行いました。
今日は、ターゲット11 保護地域のレポートです。
ファシリテーターには国立環境研究所 勝又聖乃さん、アドバイザーに環境省 生物多様性地球戦略企画室 中山直樹さんとIUCN-J 吉田正人の協力を得て実施しました。
【ターゲット11 保護地域】
ターゲット11は「陸域の17%、海の10%は、なにがあっても守る場所に決めよう」という内容で、GBO4(地球的規模生物多様性概況第4版)では、達成の可能性が高いターゲットと評価されています。
戦略会議では、「陸域の面積だけ見れば、日本国内ではすでに目標達成をしており、海域も今後広がっていくのでは」という現状が共有されました。それを受け、会場からは「保護地域だけ守っていても、生態系を守るのは難しい。実際、保護区の植物を守っても、生態が悪化している。」「鳥もある程度まとまった面積を保護区にしないと守ることはできない」等、保護地域の質に関しての意見、現状で抱えている課題が話されました。
これに対して、今後は以下のことを意識して対策を進めていけると良いのではないかという案が出ました。
・生物多様性と生態系サービスに重要な地域が保護地域になっていない⇒干潟や流域性草地などにも広げる。
・民間保護地域など活用し、保護地域内と周辺地域の連携性を高める。
・保護地域内の管理の質評価を出来るようにする。
・保護地域内の管理の質をあげる。
今後の方向性として、
・保護地域になっているところは、本当に代表性があるのか等を調べるためギャップ分析の実施
・現在、保護区が設定されている場所は法的な場所ばかりなので、民間で保護されている保護地域を枠に入れる方法の検討(民間保護地域)
・保護地域のマネジメントを評価しているIUCNのグリーンリストの活用を検討
といった内容が上げられ、「ターゲット11 保護地域」の戦略会議はまとめられました。
さて、これでにじゅうまるミーティング&戦略会議のすべての報告は終わりです。
企業、NGO、行政が一堂に集まり、話し合われた会議内容は、生物多様性に関する現状、事業が多くの課題を抱えていることを認識することができましたが、同時に今後の方向性を決めるきっかけ、気づきを多く与えてくれる場ともなりました。
参加者の皆様、ご協力頂いた関係者の皆様、ありがとうございました。
次ににじゅうまるメンバーが集まるのは、にじゅうまるCOP2です。それまでに、より良い成果を上げ、また次へのステップを踏めるよう、頑張っていきましょう!
ご参加頂いた皆様、大変遅く成りましが、ご協力いただき誠に有難うございました。
(※1)
にじゅうまるCOPとは、にじゅうまるConference of Partners(パートナーズ会合)の略で、にじゅうまるプロジェクトに加盟している団体が一堂に会し、開催される会議です。2年に1回、生物多様性条約のCOP(Conference of Parties)を開催しない年に開催します。前回、記念すべき第1回目のCOPは、2014年2月15、16日に大阪で開催しました。(詳細はこちら)
今年度(2015年度)は、2016年1月~2月の間に、名古屋で開催する予定です。
その他基調講演などに関する記事は以下をご覧ください
・基調講演編①、生物多様性条約 第12回締約国会議(CBD COP12)関する報告
・基調講演編②、IUCNの第6回世界公園会議(WPC6)に関する報告