【メイン】アジア地域フォーラム開会式

開会挨拶を行なうジャン会長

開会挨拶を行なうジャン会長

IUCN第6回アジア地域フォーラム(IUCN-6th Asia Regional Conservation Forum)が、タイ・バンコクのロイヤルオーキッドシェラトンホテルで開催されています。20カ国350人を超す人々が参加し、IUCN全体の今後4年間と、その中で重要な位置をしめるアジアの方向性を議論する二日半の会合です。

初日(8月10日)は、開会式に始まり、2020年のIUCNとその重要な方針を示すIUCN Programme 2017-2020(IUCN四カ年計画2017-2020)について、そして、アジア地域委員会に関するセッションが開かれました。

開会式では、残念ながら参加できなくなったインガー・アンダーセンIUCN事務局長の代理として、アジア地域委員会のス・ヤンベ先生(韓国国内委員会委員長、ソウル大学そして生物多様性条約科学委員会(SBSTTA)の運営委員と多方面に活躍)からの開会の辞で始まりました。

今回のアジア地域フォーラムにおいては

  • -20カ国350人以上のIUCN関係者が参加
  • -IUCNの4カ年計画を作る上で重要な会議である
  • -国連が来月にもポスト2015開発アジェンダおよび持続可能な開発目標SDGsを採択し、それが全政府の重要な優先目標となること、SDGsの達成にはあらゆる主体の参加とますます自然への認知度の向上が必要で、IUCNの役割も大きくなる
  • -特に、IUCNのネットワークがもつ科学的知識と現場の保全の経験、中立的なプラットフォームを提供することなどが、貴重な貢献となる

などのポイントを紹介しました。

IUCNアジア事務所の所長であるアバン・カブラジ女史からは、

  • -ホスト国であるタイは、IUCNにとって重要な国の一つである
  • -タイは、IUCNとのパトナーシップも深く、カオヤイ国立公園の設立を協働したりと協働事業多い。生物多様性条約や、野生生物取引の適正化などが最近の協働の例
  • -経済的な向上が生物多様性への危機をもたらす一方、危機は、チャンスの一環でもあり、iUCNは様々な解決策を提示しうる組織であること。アジアには、ブータンの幸福度指数やタイ・韓国による経済的パラダイムを転換しようと言う様々な動きがある。
  • -アジアは様々な経済的レベルがあり、かつ、ASEANや南アジアの動きなど複層的なグループが存在する。その中で一貫性のあるネットワークを提供している
  • その中で、IUCNで、この地域や各国の多様性を代表する人々が集まる。アジアでは、沿岸保全のためのManglobe for the Futureをはじめパートナーシップを核とした事業が展開されており、IUCNを象徴する取組の一つとなっているほか、アジアは会員数や関連決議や理事の数などを増やしているダイナミックな地域

というが紹介されました。

ジャン・シンシェン会長挨拶

  • -IUCNの各員の生物多様性保全への取り組みに感謝の意を示すとともに、ホスト国やアジア地域フォーラムの運営に尽くしてきたアジアオフィスに心から感謝し、会場の皆ともその感謝の念を共有したい
  • -アジアを襲う様々な気候変動にもとづく自然災害が頻発する中で、現在は、グローバルターニングポイントである。
  • -UNFCCCーCOP21(パリ)で期待される気候変動に関する新しい枠組み、ニューヨークでのSDGsの合意が、歴史的なティッピングポイント、ターニングポイントを迎え、ますますIUCNの役割が問われている。
  • IPCCレポートでも大きな変革が今すぐに必要ということが言われており、生物種の状況は危機的でライフサポートシステムが悪影響を受けているという状況
  • -そのなかでも、持続可能な開発は、IUCNが1980年に提唱し、今年、ニューヨークで国連目標になった。IUCNはSDGsの14と15に強くコミットする必要がある。また、17全部の目標が自然保護に基づくものでなければならないとIUCN理事会でも確認した
  • -アジアは世界の60%の人口を抱え、40%のGDPをアジアが占めており、経済成長の拡大もアジアで進む。それによる影響、経済や水、自然などについて、全体的に取組むための自然資本といったコンセプトが重要であり、アジアの都市化の課題などにも取り組む必要性がある
  • -会長として、アジアの地域でのIUCNの会員の活動に刺激を受けてきた。
  • -例えば、仙台で開かれたアジア国立公園会議に参加し保護地域の重要性を確認し、東北復興国立公園の設立を歓迎したい。その他にも、アジア各国を訪れIUCNのメンバーと会い、様々なテーマで会話を持った。会員制度の強化は、世界の大きな変化に対応するためにも必要
  • -特に、IUCN加盟団体、事務局、専門委員会が一丸となって取り組む姿勢(ワンプログラムアプローチ)の重要性を強調したい。
  • -自分は、政府の代表も、NGOも科学者も。これを維持し、強化し、活用することをどうすればよいかを考えながら、各地域の声や事業の内容をしっかり聞くことを会長の任務として一番の優先とした。IUCNをリーダーシッップをとる組織へと変えていくことを重要視している
  • -この二日半をどう効果的にするか。世界のティッピングポイント・ターニングポイントへの意識SDGsにどう貢献できるか各自で考え、優良事例を共有し、今後4年間のアジアをどうしていくかという未来の課題についてどう進めていくかを議論したい
  • -IUCNのネットワークを理解し、多様な立場の人が、一つの価値とビジョンをもって平等にこの場にいるということの価値を考えていこう

という挨拶をされました。

タイの環境大臣

この重要な課題を議論する場としてタイを選んでくれて感謝。タイにおいてもIUCNのネットワークは重要。タイでは、ロイヤルファイミリーが持続可能な開発や教育事業に取り組んでおられることを紹介し、カオヤイ国立公園などでの森林管理・復元の取組みなどをアピールされました。