SBSTTA24が始まりました(5月3日)
日本は、ゴールデンウィークの真っ只中ですが、生物多様性条約の第24回科学技術助言補助機関(SBSTTA: Subsidiary Body on Scientific, Technical and Technological Advice)会合が、オンライン形式で交渉を行うというかつてない形で、始まりました。関係者に伺うと、今回のような国際交渉を伴う条約関連会合は国際条約でも初めてのことになるため、他の国際条約事務局からも注目を集めているそうです。
期間は5月3日から、6月13日にかけて、日本時間20時−23時、または、午前1時−4時、という形式で行われます。
5月3日日本時間20時から、開会の本会議(Plenary)が開かれました。議事進行は、ヘジキオSBSTTA議長になります(メキシコより選出)。
開会に際し、エジプトのジャスミン環境大臣(COP 14開催国から選出される現生物多様性条約議長(President))の代理として、ゼダン議長代理から挨拶があり、世界が注目する目標の合意形成にとって重要な会議が始まったことを歓迎し、SBSTTAの議題は非常に大きいが、SBSTTA議長のリーダーシップの元成功することを確信しているとの期待が述べられました。
エリザベス・ムレマ事務局長からは、事務局一同、締約国がCOP15に向けてポスト2020枠組みを合意できるために全力でサポートしたい旨挨拶がありました。また、SBSTTA議長であるヘジキオ議長とビューロに謝意が述べられました。今回、1560名が100か国が登録していることが報告され、この準備のためのインフォーマルセッションを繰り返してきたこと、この会合を通じて非常に数多くの有意義な意見を得てきたこれまでの経緯について説明が行われました。また、8つの議題についても紹介がありました
1. ポスト2020枠組み、GBO5の検証含む
2. 合成生物学
3. 遺伝子組み換え生物のリスク評価
4. 海洋生物多様性 EBSAの今後のアプローチの仕方
5. 農業と生物多様性 土壌の保全と持続可能な利用
6. IPBESの活動計画への提言
7. 生物多様性と健康 健康と生物多様性の作業計画
8. 外来種 追加的な助言やそのための専門家会合。ラベリングの課題など。
その後、SBATTA 議長のヘジキオ氏から、最終合意文書(Lドキュメント)は、COP15かその前の物理的会合で採択を行う予定との説明が行われました。
その後、会議の進行の進め方などについて説明し、議題の採択を実施。人気を迎えるビューロの選出もこの1ヶ月の間で選出することを各地域に依頼しました。書記の選出もオンラインで呼びかけられ、承認されました。ボスニアヘルツェゴビナのセンカ女史が選ばれました。発言の冒頭の事務局挨拶等の時間を省略するため、センカ氏に、全参加者を代表しての謝辞が述べられました。
オンライン会議は、そのまま、議題3「ポスト2020枠組み」への意見出しに移りました。
道家哲平(IUCN-J事務局長/日本自然保護協会)