IUCN-WCC 世界の注目を集める機会
IUCNの世界自然保護会議は、新型コロナ発生以降に初めて開かれた環境に関する国際会議と言えます。それだけでも注目が集まりますが、参加できない国もあるものの、世界中の注目が集まり、自然保護の最新の動きを発信する格好の場面となっています。
9月4日から7日までの4日間の間に発表されたものの一部です(おそらく他にもあります)。今回発表されたツールやネットワークの中には、次の4年間を大きく変えるものが含まれていることでしょう。
こうやって、人が集まり、何かが発表され、新しい発表があるから、さらに人が集まることで、自然保護の知識や経験、ノウハウを世界中の人々に届ける力を、IUCNでは、Convening Powerといいます。直訳すると、会議を開催する力という会議運営能力のような事務的な言葉に聞こえますが(会議を成功させる事務調整能力も相当なものなのですが)、IUCNが自然保護の世界で他にない組織たらしめるものと思われます。
IUCNレッドリスト2021-02:マグロの危機リスクの低下やサメ・エイ類の37%が絶滅の危機にあることを発表
The Mediterranean: a model sea by 2030:地中海における行動計画
IUCN Green Status:絶滅危惧種レッドリストを補完する種の改善状態を示す世界基準
IUCN Nature based Solutions Global Facility:自然に根ざした解決策(NbS)を世界中で促進するための仕組み
Nature-based Solutions Partnerships:NbSを促進するネットワークの構築
Global Report on Protected Area Finance Capacity Needs:保護地域の資金需要を状況をまとめた報告書
CEESP”s Policy Matters Publication on Environmental Defenders Volume 1 :環境保護に足すざわる方(例えば、密猟者を取りしまる国立公園のレンジャー)の現状と課題をまとめた
Blue Ocean:海洋保全・持続可能な漁業に投資するファンド・1億2000万ユーロを目標額に運用される
Species Threat Abatement and Restoration metric (STAR):絶滅危惧種・保護地域・生態系・KBAなどの諸情報から、自然再生の効果や期待度を数値化する仕組み
African Nature-Based Tourism Platform:アフリカにおける「自然に根ざした観光産業」のノウハウ共有のためのプラットフォーム
IUCN Natural Resource Governance Framework:自然資源の優良なガバナンスを考えるための枠組み
International Alliance against Health Risks in Wildlife Trade:野生動物取引における健康課題を考える国際アライアンス
IUCN Academy:世界中の大学と協力したIUCNに関係する知見を提供するトレーニングコースづくりの仕組み
‘Visitors count!’:保護地域における観光客の価値を図るための仕組み
Principles for ecosystem restoration to guide the United Nations Decade 2021–2030:自然再生のための10原則(国際生態系復元学会)