ジュネーブ会合 11日目・12日目の動き

3月25日10時(日本時間18時)に始まったジュネーブ会合11日目は、SBSTTAプレナリーで、海洋沿岸、モニタリング枠組み、生物多様性と健康の議論を行い、午後と夕方(噂では、日をまたぎ2時(日本の午前10時))は、ポスト2020枠組みCG2とCG1の議論を行いました。

3月26日10時(日本時間18時)に始まったジュネーブ会合12日目は、SBIプレナリーで、資源動員、地球環境ファシリティー、能力養成・科学協力・技術移転、ジェンダー行動計画と、ポスト2020枠組みのコミュニケーション戦略を扱い、L文書の作成を行いました。コミュニケーション以外の文書は、コンタクトグループで議論を重ねたので、スクエアブラケット(合意されてないことを表す記号)を多く残しながらも、そのまま採択する形です。

午後、および夕方は、ポスト2020枠組みCG3と4を扱いました。

ポスト2020枠組みの議論は、なかなか集約の気配を見せません。

例えば目標4は、

[域内・域外保全を通じて、[特に絶滅危惧種]の回復と保全、[野生・家畜][栽培][すべての]種集団の遺伝的多様性を実現し、人間と野生生物の相互作用を効果的に管理し、人間と野生生物の衝突を回避・軽減する][ために十分な規模で]緊急かつ持続可能な管理行動を実施することを確実にすること。

という共同進行まとめ(Non-Paper)から始まり、終わる頃には、

[絶滅危惧種orすべての種or生物種(とりわけ絶滅危惧種)and/or固有の野生種および家畜種、栽培種の個体群の遺伝的多様性]の回復と保全のための、[持続可能なor緊急のorアクティブな]管理計画」を、[生息域外および生息域内]保全を通じたものも含めて、確保し、[遺伝的に劣化した個体群の回復を図り]、人為由来の既知の絶滅危惧種の絶滅を防ぎ、[人と野生動物の衝突を回避または減少させるためにor人と野生動物の共存強化のためにor野生動物と人の利益のために]、人と野生動物の相互作用を効果的に管理する。

代替案「既知の絶滅危惧種の絶滅を防止し、枯渇種の個体数平均をX%増加させ、人類による種の絶滅のリスクをX%低減し、遺伝的生物多様性を保護する。

といった文案になり、全くよく分からない状態になります。

「議長が提示された短い文案がとても良いと思います。そのうえで加えたい要素としては「~」です」という発言を沢山の国が繰り返すことによって、結局、よくわからない文案になるという作業を繰り返しています。

共同進行(Co-lead)も最初は行動目標案をまとめようと問いを立てたり、必要な発言を促すのですが、締約国がほとんど従わず、好き勝手要素を提案しているようにも聞こえます。この交渉がどうまとまっていくのか注視をしていきたいと思います。

道家哲平

国際自然保護連合日本委員会