COP15の休会とCOP15-3とこれからのCOP(12月19日の進行)

COP15最終日の12月19日は、同日4時に開催され、昆明―モントリオール生物多様性世界枠組みを採択した本会議の疲れを残しながら、第1作業部会を11時から開催し、本会議に送る合意文書をまとめました。15時開催予定だった閉幕のプレナリーは、17時過ぎに開催され、1週目の中間報告(ストックテイク)本会議で採択された以外の全決定を含めて、予算、主流化戦略(実質先送り)、知識管理(先送り)と情報共有、今後のCOPの開催について採択をしました。

未明のやや強引ともいえる採択に対して抗議を示していたコンゴ民主共和国とも、GBF達成に向けた行動していくことを確認したり、20億人いる子供(Kids)代表のRobert君のスピーチをいれるなどし、会場の雰囲気づくりを演出していました。

また、今後のCOPですが、COP16を2024年の第4四半期にトルコのアンタルシアでCOP16を、2026年に中東欧地域(無事に開催できるか不明(理由は後述))でCOP17を、2028年に中南米でCOP18を実施する計画が採択され、中東欧・中南米に議長国として事務局に名乗り上げてほしいとの呼びかけが行われました。

Photo by IISD / Mike Muzurakis

Photo by IISD / Mike Muzurakis

必要な決定後、事務的事項として、SBSTTA議長やSBI議長の選出、各地域からのCOP15運営委員会(ビューロ)の選出を行って、「閉幕」となる進行だったのですが、「中東欧地域(COP17の開催国をここから選出する予定)の選出方針がフェアではなく、ラムサール条約決議でウクライナの湿地の緊急保全という高度に政治的な決定の提案者を選出したEUの選出は不信であると」と抗議を行い、投票による選出を主張し、その投票が成立しなかった(3分の2以上の票が集まらないと決定しない)ことから、事務的事項が進められないとの見解で、COP15,CP-MOP10、NP-MOP5を、閉幕(Close)ではなく休会(Suspend)して、後に、COP15-3を開催することを決めました。

なお、この休会による、各種決定の効力は変わりません。

後味の悪い終わり方ではありますが、GBFを採択できたことには変わりなく、4年に渡る交渉結果に、100%の満足はなくとも、胸をはって関係者は帰国の途に就きます。

COP14@エジプトと比較し、参加者は3倍、企業はその中で、6倍の任数となる600名近くが参加

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国際自然保護連合日本委員会 事務局長 道家哲平(日本自然保護協会)