CBD-COP11が終わりました。

CBD-COP11が終わりました。

インド・ハイデラバードで開催されていた生物多様性条約第11回締約国会議が終わりました。全34の決議をとりまとめ、世界各地から5000人強(国際会議場内登録者数)が参集した国際イベントで、20日の午前3時に無事(?)に閉会したとのことです。

決議の数が34というのも、COP10の47決議と比べれば減っている印象を受けますが、
「決議(交渉)よりも実行を」というディアス生物多様性条約事務局長の掛け声の下、複数のテーマを一つの決議に集約したものもあってのことです。「実行implementation」が、COP11のキーワードでした。

今回の会議を振り返ると、愛知目標達成に向け、国連機関、IUCN、国、自治体、企業、NGO、先住民地域共同体の様々な取り組みが提案されました。非常に積極的な取り組みが数多く、「愛知目標がみなの共通目標として受け入れられている」という印象を得たところです。

単に生物多様性条約関連だけではなく、他の環境条約(ラムサール条約や、移動性動物の保護に関するボン条約)国連機関(FAO食糧農業機関、UNDP国連開発計画)などが積極的に発表していました。企業も一企業というより、もう少し組織だって動いていた印象を受けたところです。こんな状況に逆行するように日本人だけ愛知目標のことを知らないなんてことにならないように、日本での活動展開を頑張らなければと、身の引き締まる思いです。

ただし、成果に対しては「良いのだけれども、不十分」というのがIUCNや他の方の見方ではないかと思います。愛知目標の言葉一つ一つをしっかり読むと、非常に意欲的なことが書かれており、今回刻めたステップは、国際交渉的には常識の範囲内(=大きな飛躍がない)という印象をぬぐえません。

COP12は、韓国で、2014年の後半に行うことが正式に決まりました。COP12は各国の取組みの成果をベースとした愛知目標達成の中間評価を行うことが決まっています。

見たいと思う世界の変化に あなた自身がなりなさい。(マハトマ・ガンジー)

これからの2年間は「日本での実施implementation」が課題となります。私たち日本人がどう変わったか、どう行動したかを、2年後に胸を張って発表できるよう、頑張りたいと思います。ひとまず、これで追加記事はあるかもしれませんが、COP11国際会議レポートを終えたいと思います。

(財)日本自然保護協会 道家哲平