カンクン(COP13)後の農業分野における主流化の取り組み(ユースレポート)

1日目のお昼にメキシコ・カンクン(COP13)後の農業分野における主流化のその後の実施に関するサイドイベントに出席しました。CBD事務局やFAO(国際連合食糧農業機関)、メキシコのCONABIO(生物多様性の知識と利用に関する国家委員会)による実施事例に加え、花粉媒介者や土壌に特化した内容の発表が行われました。

 

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プレゼンターの様子

 

ここではCOP13のホスト国であったメキシコのCONABIOの方の発表を中心に報告します。

前回のCOP13@メキシコでは生物多様性の主流化の議題において、農林水産業と観光セクターに対する主流化についての議論が行われました。COP13の後、今回開催されているCOP14までの2年間、ホスト国であったメキシコは何をしてきたのでしょうか?

メキシコはCOP13後、主要な国際組織と活動をともにし、強力な相乗効果を得ました。中でもFAOとともに農林水産業分野での仕事を通して生物多様性の主流化を促進しました。

メキシコがFAOと協働した結果、2016年12月に国際的な生物多様性主流化のプラットフォームができ、2017年7月にはFAOも組織改編を行って、新たに気候変動・生物多様性、土地と水の部門を作り、すべてのFAOのワーキンググループの中で、主流化を重要考慮事項に含めることとしました。そして2018年3月には生物多様性主流化のイニシアティブができ、同年5月に第1のアクションとしてすべてのステークホルダーによる農業分野における主流化の対話を行ったそうです。

事例紹介の最後には、国際的なレベルでとるべき次のステップに考えが以下の通り述べられました。
・農業分野の保全と持続可能な利用の主流化のための具体的な手法を促進することを続ける
・COFI, COFO, COAG, CGRFA(いずれも農林水産業等に関する委員会や活動の略称)に生物多様性の主流化要素を含める
・国レベルでの現状把握と主流化機会に取り組むための国内対談を含む、FAOによる生物多様性のアクションをすべての国で促進する
・より多くの生物多様性の主流化のイニシアティブと成功事例を共有するためにさらに多くのステークホルダー同士で対話を促進する

このメキシコの事例のように、COPのホスト国を中心に各セクターに対する生物多様性の主流化の取り組みがより一層進んでいってほしいと思います。

 

生物多様性わかものネットワーク/IUCN-J 矢動丸琴子
(千葉大学大学院/園芸学研究科/環境健康学領域/博士後期1年)